第355話 動かなければチャンスはない

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「社長さん、すぐに動きましょう」って言われました。
当社が懇意にしている会社の社長が、不動産会社の、やり手の営業担当から言われた言葉です。続けて「動かなきゃチャンスはないですもんね」。
そうです、その通りなんです。待っていても、向こうからチャンスはやってきません。自分が動くからチャンスはやってくるし、何気ない変化も見落とさなくなります。そしてそれがチャンスに変わります。
自分で動くということは、それなりの労力も必要ですしリスクもあります。しかし、思い切って飛び込んでみなければ、この世の中、分からないことが多いです。
加えて覚悟が必要です。覚悟が決まらないうちに動いても、ちょっと困難にぶち当たると「やっぱり、や~めた」となりかねません。覚悟が決まれば、あとはそれに対して取り組むだけです。ここが重要です。
例えば、いま、あなたは海に飛び込もうとしています。しかし、その勇気がありません。勇気がないまま、不意に誰かにポンと背中を押されて海に落ちてしまえば、あなたは溺れてしまうでしょう。
しかし、自分で覚悟を持って海に飛び込めば、あなたは必死にもがいて何とか生き抜こうと努力します。藁をもつかむ思いで、そのあたりに浮いている流木か何かにつかまることができるかもしれません。結局、成功するかしないかは、勇気と覚悟を持ち、リスクをとってチャレンジするかどうかだけです。
セミナーやコンサルティングを行っていると、こんな方にお会いします。
「先生、そんなこと知っています」
「経済学や経営理論を勉強してきたので、先生の話すことは当たり前です」
「もうちょっと難しいことを教えてくださいよ」
このように話す方は、学校で勉強がよくできて、優秀な成績を収めた方が多いようです。そのような方に「じゃあ、あなたはそれを実践できるんですね?」とお聞きすると、
「・・・」
黙ってしまいます。理論は知っていても、実践できていないということです。ビジネスにおいて実践できなければ、それは「机上の空論」です。机上の空論でお金儲けはできません。要するに、頭でわかっていることと、実際に実行できることでは次元が違うということです。
お金の計算がうまい会計士とか経済理論に詳しい経済アナリストが大金持ちかというと、そうではありません。彼らは調査、分析、計算、報告がうまいだけです。それが仕事です。
以前、テレビ番組でソフトバンクの孫社長と、どこかの大学教授の対談を観たことがあります。その番組は確か、経済・経営に関する意見を戦わせる内容だったと記憶しています。
大学教授は理論をわかりやすく話すのに対して孫社長は、そのような高度な理論を持ち合わせていません。非常に頭のいい人ですが、一方、現場でたたき上げてきた人でもあるからです。その番組は、大学教授が孫社長をやり込めるような内容になってしまいました。
ところが、です。現時点でどちらがお金持ちかと言えば、言わずとも知れたことですね。大学教授の給料と超大企業の社長の報酬では、比べ物になりません。
決して、お金がすべてと言っているわけではありません。お金をたくさん持っていても、心の貧しい人はいくらでもいます。自分はそうはなりたくないと思っています。
言いたいのは、お金を稼ぐということは、理論や理屈ではないということです。やってみて、失敗して、またやってみて…の繰り返しです。その中から成功パターンを見つけ、それを横展開していくのです。その時に必要なのが、リスクをとってチャレンジする勇気と覚悟です。
冒頭の不動産会社の担当者の方は、すぐに動いたそうです。自分の持っているコネクションをフルに生かして、土地の買主を見つけることに成功しました。
希望値よりも安かったそうですが、社長は売却したそうです。希望値よりも安いにもかかわらず、なぜ売却に踏み切ったのか? 一つは、いらない土地であったこと。もう一つは、そこで立ち止まったら二度とチャンスは来ないことを知っていたからです。覚悟を決めていたため売却するチャンスに恵まれ、立ち止まらなかったために実際に売却できました。
チャンスが来たら、立ち止まってはだめです。思い切って飛び込まなければ、成功を手にすることはできません。
今回は、土地売却の話をもとに、ビジネスの肝をお話ししました。リスクをとってチャレンジする勇気と覚悟。そして、立ち止まらないことが大切です。



