第351話 自社に最適なショールームを作ろう

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「先生、私は将来、○○のようなショールームを作りたいと思っています(○○とは、ある有名大企業メーカーの立派なショールームを指します)」
これは先日、個別相談を行った中小企業経営者の方の言葉です。この方は、いまよりもさらに売り上げを伸ばそうと考えた結果、ショールームで製品の特長を顧客に見てもらうのが近道だと考えています。
お客様を迎えるにあたって、貧相なショールームではいけない、それなりに立派なショールームの方がいいと考え、目標を○○に置いたというわけです。
確かに、貧相よりも立派な方がいいに決まっています。しかし、この方が経営する会社は中小企業です。
「そんなにお金をかけなくてもいいんじゃないですか?」とお話ししても、
「いや、資金は潤沢にあります。心配ご無用」
などと、忠告?に取り合いません。
まあ、どのようなショールームを作ろうと、その方の自由ですから無理に止めることはしません。しかし、もしこの方が当社のお客様になるようであれば、その時は全力でお止めします。なぜなら、投資した資金を早急には回収できないからで、それが分かっていながら分不相応なショールームを作らせるわけにはいきません。
以前、誰でも知っているような大企業の幹部の方が、当社のセミナーにお越しになりました。その方は、
「今のショールームの使い方に疑問がある」
「効率的なショールームの運営方法が分からない」
「もしかしたら、ショールームをダウンサイジングした方がいいのではないか」
といった疑問や悩みを抱えていました。
確かに、効率的に運営できていないのであれば、ダウンサイジングも考えるべきです。ところが、この会社は有名な大企業です。顧客も取引先も多く抱えています。
その会社が効率的な運営ができないからと言って、ショールームをなくしたり小さくしたりしてもいいものでしょうか? 答えはNOです。要するに「ショールームは身の丈にあったものであるべき」ということです。
冒頭の経営者の方のように、身の丈以上のショールームを作っても、お客様や取引先がそこまでいないのであれば、そのショールームは「もったいないショールーム」と化します。
多くの経営者の方は、ショールームを作ろうとすると、憧れや妄想に取り憑かれてしまいます。
「ウチも、あんなショールームを作りたい」
「ショールームはできるだけ立派で広い方がいいに決まっている」
「ショールームを作ったら、お客様が増えるはずだ」
このように考える方が多いわけです。しかし現実は厳しく、たいていは持て余すことになります。
道楽のためのショールームではありません。もったいないショールームになる前に、大いに活用して売上・利益を生む施設にしなければなりません。
その方法は、個別の事情がありますので一概に申し上げられませんが、タイトルにあるように「身の丈に合わせる」ことです。
大企業であれば、それなりに立派で大きなショールーム。中小企業であれば、そこそこきれいで、それなりのサイズ感のショールーム、といった具合です。
と、ここまでは誰でも考えることです(考えても実行できる人が少ないのですが…)。
実は、ここからが重要です。
「ショールームにお金をかけてはいけない」
これを本当の意味で理解している経営者の方は少数派です。背伸びする必要はありませんし、してはいけません。どうせ失敗します。
ショールーム自体にお金をかけるのではなく、見込客開拓から契約までの導線(しくみ)にお金をかけるべきです。その方が成功します。逆に言えば、導線を作らずにショールームを作るから失敗するのです。
これは中小企業だから失敗するのではありません。先ほどの大企業の例でも分かるように、ショールーム担当重役でも悩んでいるのです。この点は、大企業でも中小企業でも関係ありません。
なぜそうなるのか? 憧れと妄想に取り憑かれているからです。
何やら堂々巡りのようなお話になってしまいましたが、くれぐれも身の丈以上のショールームを作らないようにしていただきたいものです。そして、すでに作ってしまった方、持て余している方は、どのようにダウンサイジングすればいいかを考えるべきです。
顧客が増え、売り上げが増えればサイズアップを考える。扇子の扇をすぼめたり広げたりするようにし、そこへの導線をしっかり作ることができれば、それがあなたにとって最適なショールームになります。
あなたは、自社に最適なショールームをお持ちですか?



