第349話 中小オーナー経営者は、節度を持って好きなようにやりなさい

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「先生、ちょっと困ったことが起きまして…」
当社が、コンサルティングでご指導させていただいている、部品製造会社の社長です。何が困ったかというと、
「最近購入した株が値下がりしちゃったんです。それで、売るに売れなくなってしまって…」。
「信用取引しているんですか?」と聞くと「現物のみ」とのこと。
「それじゃあ塩漬けにして、しばらく我慢したらいいじゃないですか」と話したところ、
「実は、近々お金がいるんです。そのお金を株に回してしまって。上がると思ったんだけどなあ…」。中小企業経営者に、あるあるな話です。
企業経営者ならだれでも、会社のために売り上げを上げたい、利益を大きくしたいと願うでしょう。しかし、だからと言って近々に使うお金を株につぎ込むなんて、どうかしています。
以前、こんなことを言う社長に会ったことがあります。
「本業で儲からないから、株で儲けるんだ。営業外収益が大切だ!」。
自分で何を言っているのか、分かっているのでしょうか?
経営者であれば、本業でどのように売り上げを上げて儲けるかを考えるべきです。損益計算書上で大切なのは「売上」と「営業利益」です。
売上は、すべての利益の源泉になります。営業利益は、本業でどれだけ儲けたかを示します。営業外収益は、本業以外で儲けた利益です。今回の場合は、株で儲けた利益です。
「株で儲けて何が悪い」と言われるかもしれませんが「本業で儲けてから株で儲けてください」と言いたいです。
ましてや、本業で儲からないから株で儲けるなんてナンセンス。世の中には、このような社長もいるのです。
ほかにも、こんな社長がいます。仕事をして、集金したお金を生活費や遊興費に使ってしまい、仕入れ先に支払うお金が足らなくなってしまった人。
「そんな馬鹿な」と思われるかもしれませんが、これは事実です。何人もそのような経営者を見てきました。この様な経営者は、職人上がりの方が多いです。
職人として給料をもらっていた立場から、独立して職人兼経営者になると、金銭感覚がマヒするのでしょう。入金されたお金が、すべて自分のものだと勘違いしてしまうのです。そして支払い日が近づくと、ようやく「お金がない」と気が付くのです。
また、こんな経営者にも出会いました。日本に数台しか輸入されていない高級外国産自動車を、数千万円で「ポン」と現金で買う社長。
「なんでそんな買い物したんですか?」と聞くと「ディーラーの担当者に泣きつかれて…」とのお答え。
この会社は儲かっていますので、それ以上口をはさみませんでした。しかし、今後、世代交代にお金が必要になることが予想されます。そんなときに「そんな買い物してて大丈夫ですか?」と言いたかったです。
中小企業経営者は孤独です。もちろん、周りに役員はいますし、家族だって相談に乗ってくれるでしょう。ところが、オーナーではない役員に相談しても、本質的に会社の構造が分かっていないため、ほとんど役に立たないということがあります。
ましてや家族に相談しても、会社のことなど、これっぽっちも分かっていません。一応、株主名簿に名前が載っていたり役員に就任したりしているだけで、会社のことなど考えてもいないのが普通です。
そんなときに相談するのは、その道のプロということになりますね。多くの方はここを間違えるのです。経営の本質が分かっていない役員、社員、家族、友人・知人…。彼らに相談しても無駄です。
経営者は孤独ですし自分の会社ですので、前段のような投資や無駄遣いがすべて悪いとまで言いません。しかし「節度を守っていただいた方がいいですよ。そのうえで、好きなようにすればいいですよ」と言っておきましょう。何せ、あなたの会社なのですから。
当社は「ショールーム営業コンサルタント」を標榜していますが、前職においても独立してからでも、様々な経験をしています。中小企業における経営資源(人、モノ、カネ、情報)、または営業改革、組織改革についてアドバイスしています。必要であれば、ご相談ください。そして、ご安心ください。何より社長の味方です。



