第364話 なぜ社長は社員にガミガミ言うのか?

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「先生、もう嫌になっちゃいますよ、うちの営業」
先日、当社のセミナーにお越しになった社長の言葉です。この社長、何が嫌になったかと言うと、社長が具体的に指示しないと動かないので、社員にガミガミ言っている自分が嫌になっているそうです。
もちろんルーティン的な営業はしますが、ちょっとルーティンから外れると、どうしていいか分からなくなって、いちいち社長に聞く始末。それでも分からなければ仕事放棄。要は、自分自身で考えて行動ができないということです。
そのため社長が現場を確認して指示を出すのですが、それも面倒なため、ついつい社長が自分で手を出してしまいます。そんなことでは社員は育たないとわかっていても、背に腹は代えられないというか、それでないと売り上げが上がってこないのです。
ほとほと嫌になっていたところに当社のセミナー情報を見つけ、今回、参加になったという次第。何とかしたいという雰囲気ありありです。
社長が言うように「ルーティン的営業はできる」のであれば、ルーティンを増やせばいいことになります。簡単に言えば、ルールとかシステムとか導線(仕組み)を作って、社員に守らせればいいわけです。
「それができないから、ここにきているんです」と言われればその通りで、ひとまず、どのように導線をつくるかをセミナーでお話ししました。
世の中の中小企業の社長は、このような悩みを抱えています。
「自分の教育不足ではないか」
「それなら外部の教育機関を頼って教育してもらおうか」
などと考えます。
教育に自信がないなら、教育機関を頼るのもいいでしょう。何かの研修に参加させるのもいいと思います。しかし、忘れてはならないことが一つあります。それは…、
「社員教育は仕組みがあってこそ、その効果が発揮される」
いかがですか、あなたの会社には仕組みがありますか? 仕組みがなければ、いくら教育を施しても、その効果は期待できません。これはビジネスにおける冷徹な事実です。
例えば、一人の営業社員が接客技術を学んだとしましょう。その技術を生かすには、それを十分に発揮する機会が必要ですし、それを横展開するためのチームワークも必要です。もし機会もなく横展開もできなければ、それは一人だけが持っている「知識」にすぎません。
知識だけでは実際の営業には役に立ちません。それを知恵とかノウハウに変換する必要があります。そのためには「実際にやってみる」ことが必要です。
仕組みというと難しく感じるかもしれませんが、要するに、ルールとかシステムとかと同じ意味合いです。社員が自動的に営業できるように導線を設計し、その導線上を動いているかを管理すればいいのです。そして当社のコンサルティングでいえば、見込み客開拓から契約までの導線です。その導線の中心にショールームや展示会があるという具合です。
社長は導線を設計してやれば、社員はその上を動きます。外れている社員がいれば元の導線上に戻してやるだけです。
導線はスタートとゴールがありますが、実はループになっています。したがって、この導線上をくるくる回ることによって、一種のルーティンになります。ルーティンになってしまえば、しめたものです。なぜなら、ルーティン的な営業はできるのですから。
中小企業の多くは、営業が属人的になっています。営業成績は、営業社員の個人的な能力次第だということです。そのため、営業社員に対し研修とか講習に参加させます。
ところが先ほどもお話ししましたが、仕組みがない中、研修や講習に参加させても、その効果は限定的です。ほとんど「ない」と言った方がいいでしょう。
それなのに、営業社員が思うような成果を上げないと「お前、研修に行っただろ。何勉強してきたんだ?」と怒鳴る羽目になります。そしてノルマを課し、ハッパをかけ、尻を叩くのです。
ガミガミ言っている自分に嫌気がさしたら、営業自動化の仕組みを作るといいでしょう。作ること自体は、それほど難しくはありません。難しいのは、作った仕組みを社員が無意識に回せるようになることです。そうなれば、営業社員は自動的に動くようになりますし、そのうちに自分で考えるようになります。
社員が自分自身で考えて動かない理由は、導線(仕組み)がないからです。逆に言えば、それがあれば営業を自動化できます。



