第367話 自社の経営方針をAIに聞いたらどうなる?



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 最近、なんでもAIに聞いて判断する人が増えているようです。話題になったのが、日本のプロ野球で、ある球団の監督が辞任したときのことです。辞任の原因は、家庭内のもめごとがあった時に、娘さんがAIに対処の方法を聞いて、児童相談所に連絡したことがきっかけです。

「なにもAIに聞かなくても…」と思うかもしれませんが、今の時代、それが普通なのかもしれません。そもそも、聞く相手がいなかったかもしれませんし、聞いたとしても正しい判断をしてくれるとは限りません。もしかしたら、AIが最も適切な答えを出してくれるかもしれません。

 さて、もし皆さんが経営判断に迷う場合は、誰に相談しますか? AIですか? まさかそういう経営者の方はいないと思いますが、どんな答えをするか試しに聞いてみてもいいかもしれません。

「そんなに困っているなら、廃業した方がいいです。廃業の手続きは…」などと答えられたら、あなたはどうしますか? まさか本当に廃業しないでしょうね。

 ちょっと冗談のような本気の話をしましたが、分からないことや判断に迷うようなことがあれば、人に相談するのが解決への早道です。ただし「誰に相談するか」が重要です。

 経営の悩みを会計士や税理士に相談しますか? しませんよね。彼らは会計や税務のプロではあっても、経営のプロではありません。一応、商売柄それらしいアドバイスはするようですが、例えば営業の方法や組織のつくり方については、まるで分っていません。

 それでは、その場合は誰に相談するかです。当然、営業戦略や組織づくりの専門家に依頼するはずです。ただ、この「専門家」というのが怪しい場合があります。

「経営戦略の専門家」といった場合「経営全般にアドバイスをする専門家」という風にとらえることができます。これは、一見何でも相談できて便利だし頼りになると思いがちですが、実はそうではありません。

 それらは、ほとんど何も答えられない、もしくは一般的な答えしか持ち合わせない「何でも屋コンサルタント」の可能性があります。「まだAIに聞いたほうがまし」といった、役に立たないコンサルタントです。

 そうであれば、高いお金を払って依頼するだけの価値はありません。パソコンやスマホでAIに聞けば、ほとんどお金はかかりませんし、その方が役に立つかもしれません。

 重要な案件の相談であればあるほど、高度で専門的なノウハウを持ったコンサルタントが必要になります。当然です。社運を賭けた相談ですから、その辺の何でも屋コンサルタントはお呼びではありません。その場合は、非常にニッチな領域でありながら、その分野で深い知恵とノウハウを持った専門家が必要です。

 そうかといって、お互い人間同士ですので、相性というものがあります。AIだったら機械ですので、機械的に答えてくれます。AIに求めているのは「答え」だけです。それ以上のことは求めていません。

 ところが人間同士であれば「答えには満足しているが、その答え方が気に入らない」などということが起こり得ます。ここが厄介なところです。

 中小企業の社長は、自分の考え方、やり方がすでに出来上がっています。そこに「そんなやり方はだめだ。こう考えて、こうやりなさい!」なんて言い方したら、聞く耳持たなくなってしまいます。これは、コンサルティングのあるあるです。

 それでは、どうしたらよいか? 中小企業の社長、特に創業社長は、小さな種銭をもとに今の会社を作り上げました。ゼロから1を作り出した方です。このことは大変立派であるし、尊敬に値します。

 2代目社長や雇われ人にはわからないでしょうが、想像を絶するような苦労があったはずです。いろいろなものを犠牲にして、今の会社を育ててきたのです。それを思うと、軽々に否定することはできません。

 もちろん、当社の考える戦略・戦術をご提案しますが、それをお客様が受け入れられないのであれば、当社はお客様の考える方法で成功に導くよう努力します。

 いくら当社の考えが正しくとも、お客様がその考えに納得できなければ、コンサルティングは成功しないからです。納得感がなければ、成功確率は低くなります。

 もしあなたがAIに聞いて、納得できない答えを出されたらどうしますか? たぶん無視するはずです。そして、納得するまで何度でも聞き続けるかもしれません。それくらいに自分の考えを曲げないのです。

 そんなときは、伴走型コンサルティングを行っているコンサルタントを探すといいですね。公序良俗に反することでなければ、きっとあなたの味方になってくれるでしょう。

 正論を述べるだけがコンサルティングではありません。正論を答えてほしいだけなら、AIに聞いた方がましです。何しろ、お金がかからないですから。優秀なコンサルタントは、お客様の考えややり方を踏まえたうえでコンサルティングを行います。

 あなたは経営方針を、AIに聞きますか、それともコンサルタントに聞きますか?

 

 


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