第345話 ある一般社団法人の会長の悩み

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当社のお客様は、中小企業の経営者(代表取締役社長)の方がほとんどです。中には売上高数兆円というような、大企業の幹部の方からも相談があります。そういうことからすると、ショールームや展示会の使い方についてのリテラシーは、企業規模とか売り上げ規模にはあまり関係がないようです。
先日、珍しい団体から相談がありました。株式会社ではなく、一般社団法人からです。株式会社は利益追求型の組織で、剰余金を配当として株主に分配することができます。
一方、一般社団法人というのは非営利団体です。非営利と言っても、事業を行って利益を出してはいけないということではなく、剰余金を構成メンバー(社員)に分配してはいけないという意味です。ここが株式会社との大きな違いです。
この団体の代表者の方から、コンサルティングの相談を受けました。組織改革のコンサルティングです。
「ショールーム営業コンサルタントが何で組織改革なの?」と思うかもしれませんが、当社はショールーム営業という営業戦略を支えるための組織戦略もメニューとして持っています。少し具体的に言うと「チームワーク作り」のコンサルティングです。 このコンサルティングは前職で培い、成果を出してきたノウハウです。
この団体は、入会金と年会費で事業を行っています。設立して10数年になりますが、会員数が増えずにいます。退会が、入会と同じか入会よりも多い状況なので、設立当時のメンバーの数よりも微減している状態です。
そこで組織改革が必要ではないかと議論になり、当社のうわさを聞きつけてコンサルティングの相談となったわけです。
さて、株式会社と一般社団法人の違いを先に述べました。株式会社は利益追求型の組織ですから、株主、経営者、社員が利害関係で成り立っています。力関係の微妙なバランスの上に成り立っているといってもいいでしょう。優劣をつけること自体おかしなことですが、株主>経営者>社員と表現できます。
一方、社団法人は非営利で、会費で成り立っていますので、お互いに利害関係がありません。理事はいますが、特別に力を持っているわけではありません。どの社員も平等に年会費を納めています。
ということは、株式会社よりも社団法人の方が、組織改革はずっと難しいということになります。詳しい理屈は述べませんが、全社員が「平等な立場」ということが組織改革を難しくしています。
利害関係がないということは、組織運営が「お友達」感覚になります。組織自体が「仲良しクラブ」になってしまいます。もちろん、そういった組織でも構わないのですが、法人格を持っているのですから、社会的な責任というものがあります。
それが果たせないというならば、法人格を取得しなければいいのです。何かのサロンのような集まりでいいわけです。それではいけないからというわけで、今回の相談ということになったのですが、問題・課題が一つあります。それは「勇気と覚悟」です。
この団体は社員の会費で成り立っています。社員が増えない、少ないというのは、お金がないということです。
「貧すれば鈍する」という言葉がありますが、お金がないので手の打ちようがない。手を打たないので社員が増えない。社員が増えないのでお金がない、という悪循環に陥っています。
もし当社にコンサルティングを依頼するのであれば、お金が必要です。当社は一切、無料でセミナーもコンサルティングを行っていません。
お金がない団体が、どうやってコンサル料金を工面するのか? お金を支払って、組織を改革するという強い勇気と意志が本当にあるのか? コンサルティングを引き受けるにあたって当社が最も気に掛けるところです。
しかも利害関係を持たない社員の集まりですので、実行者にとって非常に難しいオペレーションになります。当社は、組織改革のノウハウを駆使して皆さんのお手伝いをしますが、実際に実行するのは皆さんです。
営業改革、組織改革を実行するということは、痛みを伴います。お金を支払って、その痛みを受け入れる勇気と覚悟が代表者の方には必要です。本当に組織を活性化させ育てていきたいと願うのなら、生ぬるい改革ではなく、思い切った改革が必要です。
「現状維持でいい」「社員を何とか食べさせていければいい」「いずれこの会社をたたむのだから無理しなくていい」「この会社を守るのが自分の役目だ」「能力のある社員を採用するのが近道だ」…などと言う経営者の方がいます。
実際に、セミナーでこのような発言をする方にお会いしてきました。経営者の方は、それぞれの考えのもとに経営をしているのですから、当社としては異論を唱える筋合いではありません。
しかし、もしそうであれば、このような会社はいずれ社会のお荷物となりえますので、早々に退場していただくのが世の中のためでもあります。
もしあなたが営業改革・組織改革で悩んでいるのであれば、ぜひ、社員に勇気と覚悟を示してください。それが経営者として、まず実行することです。
あなたには、その勇気と覚悟がありますか?



