第153話 刺さるチラシの作り方

 皆さんはチラシを作っていますか? 住宅関係やリフォーム関係の会社を経営している方は、新聞に折り込むために作っている方もいるでしょう。またはダイレクトメール用に作っているかもしれません。

 新聞折り込みやダイレクトメールで目につくのが、安値と景品のチラシです。こちらのメーカーの○○キッチンは65%OFF、このメーカーの△△システムバスは70%OFFなどなど。どの会社のチラシも、同じ製品が同じように何%OFFと表示されていますので、実売価格はその価格だということが分かります。

 また、来場特典としてボックスティッシュ5箱プレゼント、見積もり特典は商品券2000円分プレゼント、成約特典はAmazonギフト券10,000円分プレゼントなどなど。これもどの会社も同じように景品を出していますので、それが当たり前になっています。

 このようなチラシでは、どこの会社も同じなわけですので差別化できません。逆に、安値や景品の情報がなければ違った意味で差別化できますが、それでは集客も契約もできないというジレンマがあります。

「先生、うちのチラシはどうですか?」
「いろいろ考えてはいるのですが、どうもいいアイデアが出ません」
「結局は、いつも通りのチラシになってしまいます」

 この住宅リフォーム会社の社長は、自社の技術力やサービス品質で勝負したいと考えています。しかし、顧客からは他社のチラシと見比べて、「この会社はこの値段だから、お宅ならこれ以下にしなきゃあ」とか、「お宅は何か景品はないの? もうちょっとサービスしてよ!」と言われてしまいます。

「こんな商売はおかしい!」と思ってみても、世の中のやり方がこうですから、逆らってみてもうまく行かないのは目に見えています。それで「先生、うちのチラシはどうですか?」ということになったわけです。

 いかに自社の技術力やサービス品質が優れていようと、顧客には見えません。そもそも、技術やサービスは良くて当たり前の時代です。

 まさか今どき手抜き工事をすることはないでしょうが、技術やサービスが悪ければ即市場から退場です。ということは、そこでは差別化できないということになります。

 このことが分かれば、おのずと何で差別化すればいいか見当はつくはずです。ヒントとしては「お客様の立場に立って、お客様の願望や悩みで考えてみる」ということです。

 お客様が何を考えているのかが分かれば、それをチラシに込めるだけです。お客様の願望を叶えるチラシ、お客様の悩みを解消するチラシ作りをすればいいわけです。

 ところが「言うは易く行うは難し」で、分かっていても実践できません。

 なぜか? 

 しくみを作ることができないからです。チラシを作って活用するしくみです。これができないから、経営者の皆さんは困っているのです。

 チラシを作るだけならデザイナーに任せておけばいいでしょうが、我々が作ろうとしているのは、見栄えのいいだけの一般的なチラシではありません。お客様が「ピクリ!」とするチラシです。A4のコピー用紙にモノクロ印刷でも構いません。お客様に刺さることが重要なのです。

 このようなチラシは、お客様のことをよく分かっていないと、作ることも活用することもできません。頭で理解していても、実際にできるかというと、そうならないところに難しさがあります。

 そんな時は「ショールーム営業」の出番です。ショールーム営業なら、見込み客開拓から契約までの導線を作りますので、営業や販売活動がシステマチックになります。また、一定の確率で契約できるようになりますので、狙って売上・利益を出すことができます。

「営業量×契約率=売上」です。これを変化させると「売上÷契約率=営業量」となり、どれだけの売り上げを上げるためには、どれだけの営業量が必要かが分かります。もう少し突っ込んで言えば、「どれだけ集客」すれば、「どれだけ売り上げ」が上がるかが分かるというものです。

 したがって、刺さるチラシを作って契約率を上げれば、集客数は少なくて済みます。集客数が少ないということは、相対的にかかるコストが少なくて済みます。例えば、景品にコストがかからないということです。そもそも、来館する本物の見込み客は景品が目当てではないのです。これぞ中小企業が取り組むべきチラシ戦略です。

 もちろん、チラシだけで契約できるほど世の中は甘くありません。そこには「おもてなし」や「驚きと感動」など、さまざまな仕掛けが必要です。しかし、チラシ1枚でビジネスが変わることもあり得るのです。

 いかがですか、あなたは「刺さるチラシ」を作って活用できていますか?

 

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