第118話 大企業と中小企業、ショールームの作り方の決定的な違い

 突然お聞きしますが、皆さんはショールームで何がしたいですか・・・?

 こう聞くと、多くの経営者の方はこのように答えます。

「決まってるじゃないか。自社製品のPRをして売り上げを上げるためだよ」

「お客さんをたくさん集めてイベントをしたいね」

「なかなかお客さんが来てくれないんだよ。どうしたらいいかな?」

 ショールームで何をしたいのか質問しているのに、愚痴をこぼす方もいらっしゃいます。それでは、ショールームで「製品PRすると売り上げは上がるのですか?」「お客さんをたくさん集めてイベントをすれば、会社はうまくいくのですか?」と聞くと、「え~っと・・・」という答えになります。

 要するに皆さん、自分はショールームで何がしたいのか、よく分かっていらっしゃらないということです。そして、よくわからずに作ってしまったということです。そして、その結果失敗します。

 中小企業がショールームを作る場合、本業の商売がまずまず順調で、それに加えてショールームを使ってその売り上げを伸ばそうと考えて作るケースがほとんどです。端的に言ってしまえば、戦略も戦術もなしにショールームを作ってしまうということです。中小企業のすべてがそうだと申し上げているわけではありませんが、圧倒的にこのケースが多いというわけです。

 例えば大企業の、消費財を作る製造業の場合、直接の取引は商社とか小売りであっても、消費者の動向や好みをつかむためにショールームを作ります。また、消費者に指定をもらい、サプライチェーンの影響力を極力なくそうと考えて作る場合もあります。

 これらはショールームがなければ自社の商売に悪影響を及ぼすため、必要に迫られて作っているのです。そして、戦略・戦術があったうえで作ります。だから活用できるのです。

 ところが中小企業の場合、先ほどご説明した通り、商売が順調なうえにもっと何かプラスになるものはないかと考えた末、「ショールームでも作ろう」ということで作ってしまいます。また、取り扱い製品上「ショールームがなければ格好がつかない」といった理由で作ります。これは「憧れ」とか「妄想」といったレベルです。

 憧れや妄想で作ったショールームを上手に活用することは100%不可能です。必要に迫られておらず、活用の仕方を真剣に考えないからです。そして、活用するための組織もしくみもないために、何年かすると放ったらかしになって「物置」と化します。

 だから、社員から「うちにはショールームがあるけど、何か役に立っているか?」とか、「ショールームなんかなくても売り上げは上がっているじゃないか」などと言われてしまうのです。もったいないですね。大企業が作るショールームと中小企業が作るショールームでは、ここに決定的な違いがあります。

 せっかくショールームを作るのですから、確かな戦略・戦術を持ったうえで作ってください。最も大切なことは、ショールームを「商談」の場にするということです。商談の場にするためには、どのように営業すれば良いのか、どのように集客すれば良いのか、おのずとと見えてきます。 中小企業の場合、ここが不足しています。

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