第116話 成功する経営者に共通する本に関する事実

 本は、自分の知らない世界を教えてくれる優れた読み物です。本を読むことにより、知識を蓄えることができたり、物語に主人公になることもできます。したがって、本をたくさん読む人は人生が豊かだと言えます。

  経営者の皆さんはどうでしょう。忙しい毎日ですから、月に何冊も本を読むことはできないかもしれません。本は読めなくても、日経新聞や業界新聞は毎日読むという方は多いでしょう。日々、刻々と変化する政治・経済情勢、業界の動きの最新の情報が欲しいからです。

 しかし、その情報は、あなたの会社にとってどれほど重要かと言えば、そんなに大したことはないかもしれません。例えばあなたの会社の従業員数が10人、年商が1億円の製造会社だとしましょう。「最近、急激に原油が値上がりしている」とか、「今、日経平均株価が乱高下している」とか、「今後、アメリカの金利が上昇しそうだ」とか、そのような情報がどれだけあなたの会社の経営に役立つかということです。

 あなたの会社が海外で原油を取引しているのであれば、原油価格の情報は見逃せないものでしょう。しかし、従業員数10人、年商1億円の製造業であれば、それらの情報はいらないとまでは言いませんが、重要度はそれほど高くないと言えます。なぜなら、原油価格が1割上がろうとも、それを吸収して、今よりももっと売上・利益を上げる方法はたくさんあるからです。

 毎日の新聞の情報が大切だということは、誰も異論をはさまみません。経営者の方や一流のビジネスマンであれば、朝、日経新聞に目を通すことは当然であり、朝食のようなものです。朝食を取らなければ、お腹が空いて、いい仕事ができないのと同じです。出勤途中のビジネスマンが、電車の中で日経新聞を読むのはこのためです。

 しかし、新聞は単なる情報です。明日になればその情報の価値はほとんどありません。次の日には新しい情報が入るからです。一方、本はというと、情報が主たるものもありますが、多くは知識を与えてくれるものです。特にビジネス書は、経営に参考になる本がたくさんあります。

 自分の知らないビジネスやその方法を、一冊、わずか2~3千円で教えてくれる優れものです。これを読まない手はありません。事実、成功している経営者は、本をたくさん読んでいるということが言われています。日経新聞を隅から隅までくまなく読んでいる人ではないのです。新聞は情報であり、次の日には価値はなくなります。本は知識であり、その価値は長く続きます。

 もし、あなたが中小企業の経営者であるならば、日経新聞を読むのは当然のことながら、ビジネスに関する良書を読むことをお勧めします。その知識を使えば、あなたのビジネスが大きくできるからです。

 ではどのように良書を探せばよいのでしょう?良書というのは読む人によって異なりますので、あなたにとっての良書は分かりません。したがって、自分がいいと思った専門書をたくさん読むことが、すなわち良書に出会う機会が増えると言えるでしょう。

 たとえ自分にとって良書ではなくても、読めば一つや二つ参考になるフレーズはあるはずです。また、時間が経てばそれが良書になる可能性もあります。今の自分のステージに一致していなかっただけかもしれません。

 一冊、わずか2~3千円の投資です。忙しいあなたでも、1週間もあれば読めるでしょう。まとまった時間を取りにくければ、隙間時間を利用すればいいのです。電車の中、タクシーの中、会議と会議の間など、いくらでも時間を見つけられるはずです。

 ただし、注意すべき点が一つだけあります。それは、著者自身が書いている本かどうかということです。経営者や医師、スポーツ選手、コンサルタントが著者のビジネス書は、圧倒的にゴーストライターによるものだということです。

 ゴーストライターを使うことがいけないと言っているわけではありませんが、問題は、著者の意思や思想を正確に文章にできていない場合があるということです。極端に言えば、ライターが創作してしまう場合もあるということです。

 これでは誰の本を買ったのか分かりませんね。著者本人が書いたか、ゴーストライターが書いたかを正確に見破る方法はありません。著者がブログなどを書いていれば、その文章と本の文章を比べてみることで何となくわかる場合はありますが、それでも正確に判断はできません。

 仮に、それを見破ったとしてもあまり意味がありませんので、やはり自分の気に入った本をたくさん読むことをお勧めします。そして、それが自分にとって本当に良書であれば、繰り返し読むことです。きっと、あなたのビジネスに役に立つことでしょう。

 あなたはビジネス書を読んでいますか?そして、一か月に何冊読みますか?

 

 

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