第312話 コンサルタントの本当の仕事とは?



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 当社は、さまざまな方法で主義主張を発信しています。本やSNS、メルマガ、ホームページ、セミナーなどです。主義主張がなければ、それは単なる「講師」であり、コンサルタントではないと思っています。

 講師というのは、大まかにいえば、学んだことをそのまま人に伝えることが上手な人です。よくあるのが、商工会議所が主催するセミナーに登壇し、企業経営者やビジネスマンに知識や一般的な理論を教えるというものです。

 例えば、補助金制度とか創業支援制度とか事業再生支援制度とかです。それを企業経営者やビジネスマンに「こんな便利な制度がありますので、活用してみてはいかがですか~」などと教えています。

 平たく言えば「学校の先生」です。先生ですから非常に頭がよく、論理的で数字にも強い人が多いです。つまり、そこには正解がありますので、その正解を導き出す論理性にたけているということです。

 一方、コンサルタントはノウハウを教えています。言い換えると、体系化された知恵とか戦略とかです。そして、それらを使ってお客様の思考を変え、行動に移してもらうように後押しします。

 行動は思考に支配されています。普段考えていないことは行動に移しません。考えているから行動するのです。例外的に「衝動的に…」ということもありますが、普通は考えているから行動できるのです。

 そうであれば、頭の中を変えなければクライアントには新しいチャレンジをしてもらえないということになります。ここには尖った主義主張がなければなりません。正解のないビジネスにおいて、一般的な理論とかやり方では通用しないからです。

 ところで最近、当社のコンサルティングの在り方や主義主張についてSNSで発信したところ、こんなコメントを書いてくれた方がいました。

当社の主義主張
「コンサルタントはノウハウを教えるだけでなく、クライアントの思考を変え、行動してもらえるように促すのが本来の仕事である」

コメントの内容
「コンサルタントはノウハウを教えるだけでいいんですよ。思考を変えてもらい、行動を後押ししてもらわなければ動けないような経営者は、甘いですよ」

 確かにそうです。ノウハウを教えてもらったら、自分自身で考え行動できなければ、一人前の経営者とは言えないでしょう。

 理屈ではそうなんですが、現実的には、そのような経営者の方に出会うことはあまりありません。というより、いくら促しても、なかなか考え方や物の見方を変えてくれる人はいません。したがって行動も変わりません。

「じゃあ、なんでコンサルティングを依頼したの?」という疑問が残りますね。これにはコンサルタント側とクライアント側の問題があります。どちらか、もしくはどちらも、です。

 まず、コンサルタント側の問題です。コンサルタントは、クライアントにノウハウを教えることが仕事です。ノウハウというのは、体系化された知恵とか戦略のことです。

 ところが世間には、仕事欲しさに「何でもご相談ください」と言ってメニューをたくさん並べる「何でも屋コンサルタント」がのさばっています。このような人たちはノウハウを教えるのではなく、クライアントの「作業」を手伝うコンサルティングを行います。

 作業とは、例えば、書類作成や申請の代行、営業の代行、チラシ作り、社員教育の講師…などです。

 世の中には、このようなコンサルタントがたくさんいますので、経営者の方は「作業をやらせて、必要なくなったら切ればいいや」などと考えて契約します。これがクライアント側の問題です。

 このような契約の場合は、お互いに「作業賃」で仕事の発注と受注をしているということになります。これでは経営者の思考を変えることも、それによって行動を起こすことも無理な話です。

 世の中にはこのような契約が多く存在しますので、コンサルタント側もクライアント側も何か勘違いしてしまうのです。

 コンサルタントの本当の仕事は、ノウハウを教えることです。クライアントは、ノウハウを学んだら、自分の思考を変え行動を起こさねばなりません。それが理解できていないクライアントの場合は、当社がその先までコンサルティングすることになります。

 先ほどのコメントの内容からすれば過剰サービスとも言えますが、現実的には、それが本当のコンサルティングだと言えます。このようなコンサルティングを、当社では「伴走型コンサルティング」と呼んでいます。

 あなたは自分自身で思考を変えることができますか? そして新しいことにチャレンジできますか?

 

 


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