第241話 サラリーマンコンサルタントが中小企業経営者を指導できない理由
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先日、都内で開催したセミナーにご参加いただいた社長が、こんな話をしてくれました。
「私は生涯で初めてセミナーというものに参加しました」
「セミナーの案内とかDMとかは色々来るけど、ほとんどが経営指導の内容なんですよ」
「こっちゃあ、もう40年も経営してるんだから、あんたたちに指導してもらうことなんてないよ、って言いたいんですよね」
この社長は30歳代で独立し、以来40年、苦労を重ねて会社を成長させてきました。チャレンジ精神が旺盛で、何でも自分でやってみるタイプです。多くの失敗を経験し、それを肥やしに自分の経営を確立してきました。
そんな社長のもとに送られてくるセミナーの案内は「どうしたら、うまく経営できるか?」といったたぐいのものばかり。社長にとってみれば「そんなこと、もう分かってるよ!」と言いたいところです。
そこへ当社のDMが届きました。「たった2坪でもできる 儲かる商談型ショールーム戦略 ~ショールーム活用法の実務セミナーのご案内~」
社長はこのセミナータイトルにピクリときました。そしてショールームの在り方と活用方法を教えてくれるセミナーに参加しようと思ったといいます。
この会社のホームページを見ても、社長の話を聞いていても、集客や売り上げに困っている様子はありません。むしろ順調に経営できているといえます。
しかし社長は、ショールームの活用方法の考え方や具体策を教えてくれる、という当社のセミナーに参加したのです。それはなぜか?
なぜならば、いつもいつもショールームの活用法を考えていたからです。またショールームというものが、今後、変わっていくべきという考えを持っていたからです。将来のショールームの在り方です。
そして「本当に今のままのビジネスでいいのだろうか?」「もっと違った形のビジネスにすべきではないだろうか?」という考えを持っていたからです。それを常に考えていたからです。
ショールームというと、普通は水回りとか車などのショールームを思い浮かべます。また資金力のない中小企業にとってはショールームを所有することは難しいので、メーカーのショールームを借りるなどの対策をとります。
それはそれで正しいのですが、将来はどうでしょう? 本当にそれがショールームでしょうか? いつもいつも借りて、イベントを行うことがいいのでしょうか?
「こういったことに応えられるコンサルタントは、大手のサラリーマンコンサルタントにはいませんね」。社長は、このようにも話します。
大手コンサルファームのサラリーマンコンサルタントは、ベストプラクティスを持っています。ベストプラクティスとは、会社で積みあがったデータとか経験則のことです。それをクライアントに当てはめるのです。「あなたの会社にはこのやり方があっていますよ」などというものです。
データとか経験則ですから非常に合理的です。非の打ちどころがありません。しかし、なぜか納得できないのです。なぜかと言えば、そこには社長の夢や願望が考慮されていないからです。そしてサラリーマンに指導してもらうなどということが許せないからです。
考えてもみてください。多少優秀だとしても、相手は自分で会社を経営したことのないサラリーマンです。極端に言えば、社長が部下の社員に指導を受けるようなものです。そんなことがあっていいはずがありません。ありえないのです。それと同じです。
「中小企業の社長ほど経営がわかっている人はいない」と言います。この社長は、苦労して経営を身に付けた中小企業の社長です。しかも創業者です。その人にサラリーマンが経営を指導するなど、ありえないことです。創業社長に指導できるのは創業経営者のコンサルタントだけです。しかも、独自性、専門性のあるテーマを持ったコンサルタントだけです。
もし間違ってサラリーマンコンサルタントに依頼すれば、大切なお金と時間を失うことになります。経営は理屈ではありません。ショールームの活用も理屈ではありませんし、今現在、概念が変わりつつあります。そのための備えをしておくべき時代が、もうそこまで来ています。
あなたは、その備えができていますか? 今のビジネスのままでいいですか?