第201話 言い訳するようでは社長失格!失格すれば再挑戦できない
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「社長!なんで宿題やらなかったんですか?」
「もうこれで3度目ですよ」
「忙しかった⁉」
「忙しかったなんて、言い訳にもなりませんよ」
当社のクライアントであるY社の二代目後継社長は、コンサルティングの宿題をやらなかった理由を「忙しかった」と言ってのけました。
忙しくて宿題ができなかったんて意味不明です。使われなくなったショールームを復活させようとコンサルティングをご依頼いただいたのはいいのですが、社長がこんなことではコンサルティングを導入しても成功しません。
いや、ご依頼いただいたのは社長の父親、会長です。会長は会社を創業して大きく成長させた苦労人です。息子に社長を譲ったのはいいのですが、会長曰く「息子が出来が悪くて困っています」。
少しでも社長に経験を積ませようとコンサルティングを受けさせていますが、当の社長は乗り気ではありません。毎月のコンサルティングでステップごとに宿題を出すのですが、やり切ったためしがありません。
「こりゃあ、まいったなあ~」ということで冒頭の言葉になったのですが、会長からは「社長を頼む」といわれていますので、あきらめるわけにはいきません。何とかしようと思って、ついつい多少きつい言葉になります。
この社長はまだ本物の社長になっていません。父親である会長がまだまだ健在で、実際の指揮は会長がとっていますので、それに甘えています。
「親父、あとは俺がやるからもうすっこんでろ!」なんて言ってくれるのを楽しみにしているはずですが、一向にその気配はありません。逆に「会長、元気だねえ~」などと言っているようでは、会長は引退できません。
ショールーム営業コンサルティングを通して「社長を鍛えてやってくれ」と言われていますので、どうやってご指導しようか思案に明け暮れています。
しかし、宿題ができなかったことを「忙しい」で理由付けするようであれば、経営者失格です。これがサラリーマンであればサラリーマン不合格ですが、経営者であればそうはいきません。不合格なら再挑戦できますが、失格は再挑戦できません。この辺が分かっているか? 分かっていなければ、分かるようにご指導しなければいけません。
人は誰でも言い訳をします。知らず知らずのうちに言い訳をしています。強い面を持っている反面、弱い面も持っているからです。人には弱い面を見せませんので「あの人は強い人だ」などといわれますが、内面は決してそうではありません。
会社員時代でもそうですし、コンサルタントとして独立した後も、そのような経営者の方を数多く見てきました。世の中には強いばかりの人はいないのです。
それは十分わかりますが、あなたは社長です。そうであれば言い訳しても意味がありません。言い訳できる立場ではないのです。言い訳したければ社長を降りればいいだけのことです。
コンサルティングの宿題はやらなくてはいけません。ショールームを復活させて今よりもっと儲けるのです。そして、親父を超えるのです。会長はそれを心待ちにしているのですから。