第279話 多くの経営者が間違える2代目後継者の育て方



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「先生、今度息子が入社してくるんですけど、どうやって教育したらいいでしょう?」

 これは当社のセミナーにお越しになった、ガス会社を経営する創業経営者の方のご質問です。

 一般的に創業経営者は、自分でためた種銭を基に事業を大きくします。売り上げと利益が増えると同時に従業員も増えて、ますます企業規模が大きくなるという経緯をたどります。

 そういう意味では、創業者は何も「ない」ところから「ある」を作るのです。0から1にするのです。後継経営者の方にはよく分からないかもしれませんが、これは想像以上に大変なことです。

 もちろん「ある」状態から「更にある」状態を創り上げるのも大変なことですが、それとは比べ物にならないほど勇気と覚悟が必要です。そういった意味で、当社は創業経営者を尊敬してやみません。

 さて、冒頭の経営者の方の質問にどう答えたか…です。

「放っておくのがいいですね」

 これが当社の答えです。

 創業経営者の皆さんは自分が苦労していますので、その経験を後継者に伝えようとします。しかし後継者は、そんなことは意識していません。

「将来、自分が社長になるんだろうな」とか「今まだ社長が元気だから、自分が口出しする必要はないな」とか「仕事よりも家庭が大切」とか思っています。

 そんな後継者に「昔はこうだった」とか「もっと経営者として勉強しろ」などと説教しても「馬耳東風」です。かえって「うっとおしい」などと思われてしまいます。

 じゃあ、どうするか?です。放っておくのが一番、ということになります。放っておくといっても、好き勝手にやらせるという意味ではありません。過保護にせず、崖を自分でよじ登るように自分自身で力を付けさせるという意味です。その結果、ふさわしいと判断できれば後継社長にするという意味です。

 みなさん疑問に思われるのが、ショールーム営業を専門としている当社が、なぜこのような質問に即座に、しかも明確に答えられるのか、ということです。

 それはサラリーマン時代にも、コンサルタントを起業してからも、嫌というほどこのような経験をしてきたからです。かつて自分の目の前で起きていたことが、コンサルタントとして生きているのです。

 それは2種類あって、後継者を過保護にして失敗した例もあれば、後継者を一旦谷底に突き落として、そこから這い上がらせて成功した例です。

「息子には苦労させたくないんだよ」と言って過保護にしたため、自分で判断も決断もしなくなってしまった例。経営能力のない娘婿を社長にし、遠慮して好きにさせたため会社が倒産してしまった例。社長が病気で入院したことをきっかけに、できの悪い息子を仕方なく後継社長にしたため、お客様や取引先から見放されて苦境に陥った例。このような例は枚挙のいとまがありません。

 逆に、息子によそ飯を食わせたのち、その経験を活かして起業させた例があります。起業の苦労をさせておいて、その会社を吸収する形で息子を入社させたのです。この例は、自分自身で起業する、0から1を創り上げる苦労をさせた例です。

 このような実例を実際に目の前で見て体験してきましたので、後継者育成をコンテンツにはしていませんが、セミナーやコンサルティングの中でアドバイスできるようにしています。

 コンサルタントに限らず、どのようなビジネスでもそうですが、独自性と専門性が必要です。独自性、専門性がなければ、他と同じになって埋もれてしまいます。したがって、当社はショールーム営業を専門としています。

 しかし逆の見方をすれば、それしかできない偏ったコンサルタントに見られる可能性もあります。要するに「専門バカ」になってしまうことです。専門バカとは「自分の専門以外は知らないし、興味もない。勝手にしたら?」というような態度をとる人のことを言います。

「専門バカで何が悪い!」と言われるかもしれませんが、クライアントは様々な問題を抱えていますので「それに少しでも応えられるような智恵と経験があったほうがいいですよ」と言っているのです。

 もちろん、自分の専門から大きく外れることは避けなければなりません。その分野には当然、本物の専門家がいるからです。しかし専門から大きく外さず、自分の知恵や経験からアドバイスできれば、セミナーのお客様やコンサルティングのクライアントにとって頼りになる存在になり得ます。

 後継者育成は、自分が創業することよりも難しいかもしれません。ついつい口を出したり手を出したりしてしまいます。しかし、それでは後継者はいつまでたっても育ちません。

 後継者育成は「放っておく」のが一番です。そして自分自身で崖をよじ登るための、気力・体力、知識・知恵、戦術・戦略を身に付けさせることです。

 そうは言っても、親心が顔を出してしまう方もいるでしょう。そのような方は、外部のコンサルタントを頼るのがいいでしょう。そのコンサルタントを見つけ出すには、セミナーや個別相談で質問をしてみてください。コンサルタントが一瞬で答えることができれば、頼っても大丈夫だと判断できます。

 


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