第253話 プロは結果を重視し、アマチュアは過程を楽しみ、アルバイトは小遣いを稼ぐ
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「先生、実はこの間、写真コンテストに入賞しまして、気分がいいんですよ」
こう話すのは、コンサルティングの休憩時間中に、ニコニコ顔で話すクライアントの社長です。
どうやらこの社長、若いころから写真が好きで、休日になればあちこちに撮影に行くようです。
撮影地は、地元の公園から、遠方になれば飛行機に乗って泊まり込みで行くとのこと。家の近くであれば一人での撮影ですが、遠方の場合はグループで、気の置けない仲間と一緒です。
気の置けない仲間と行けば、撮影地までの行き帰りの道中も楽しいし、もちろん撮影中も、懇親の場も楽しいからです。そして帰ってからの写真の比べっこも、また楽しいからです。
クライアントの社長は、写真仲間と行った撮影会の写真をコンテストに応募しました。大きなコンテストではありませんでしたが、それでも多数の応募の中で入賞するのですから大したものです。社長はますます写真に熱が入りそうです。
社長は写真に関してはアマチュアです。写歴は長いし、プロ並みの写真を撮ることもありますが、写真でメシを食っているわけではないからです。
そしてプロと決定的に違うのは、結果を最も重視しているわけではなく、写真撮影の過程を楽しんでいることです。それを重視していることです。
プロとアマチュアを分ける方法は、それでメシを食っているか否かで判断する方法があります。商売、ビジネス、仕事にしているか否かで分ける方法です。
この方法は非常に分かりやすいですが、写真の力量とか写真に向き合う姿勢とかが考慮されていません。写真でメシを食っていなくても、商売としていなくても、写真の力量があり、写真に対する姿勢が真摯な方は大勢います。本来ならそういう人を「プロ」と呼ぶにふさわしいのかもしれません。
プロはもちろん結果を重視します。しかし、そうかといって必ず100点を常に出せるとは限りません。うまく行かない場合は60点、合格点ぎりぎりという場合もあるでしょう。しかし、必ず平均点80点をたたき出します。これがプロなのです。
そして過程を楽しむことはありません。過程よりも結果を重視します。当然です、プロですから。
一方、アマチュアは120点があるかと思いきや、20点、30点、いや0点だってありうるのです。それがアマチュアであり、それでいいのです。
翻ってコンサルタントです。世の中には「週末コンサルタント」なる職業があります。自身はサラリーマンであり、休みの週末だけコンサルティングをするという人です。
このような人をプロと呼べるでしょうか? 週末だけコンサルタントとして働くというものですから、それは副業です。副業ですから、アルバイトみたいなものです。「アルバイトをして、ちょっと小遣いを稼げればいい」という程度の人です。
よく考えてみてください。アルバイトに自社の将来を託せるでしょうか? そんなことはありませんね。将来を決めるコンサルティングは、本物のプロに依頼するはずです。
コンサルティングは、結果を保証するものではありません。コンサルタントは、クライアントの夢の実現を「お手伝い」する仕事だからです。したがって、結果を出すのはクライアント自身だと言えます。
これは医療行為と同じです。お医者さんは、患者の悪いところを診断して、薬を出したり手術をしたりします。しかし、必ず治すことを約束するものではありません。
要するに、健康になるという結果は、患者自身によるものだということです。お医者さんは、それを手伝うのが仕事だということです。
もし「必ず売上を2倍にします」と言うコンサルタントがいたら、それは詐欺師かペテン師です。結果を保証するコンサルタントなんて、見たことも聞いたこともありません。
結果は保証できなくても、結果を重視するコンサルタントはいます。それがプロのコンサルタントです。夢の実現のために、クライアントを全力で手伝うことができることを言っています。
貴方が本当に結果を求めるならば、本物のプロにコンサルティングを依頼するべきです。結果を保証することはできませんが、全力であなたの夢の実現に努力します。決してアルバイトに自分の夢を託してはいけません。