第64話 ショールームイベントの集客方法

 ショールームイベントを開催する際、最も難しく且つ重要なことは集客です。しかし、ただ単に集客すればいいかというと当然そうではありません。将来顧客になりうる見込み客を集めなければなりません。「そんなの当然だろ」「わかり切ったこと言うな」とおしかりを受けそうですが、「それではそういうあなたの会社は見込み客が集客できていますか?」と問いかけたとします。すると、あいまいな答えか、「できている!」と突っ張った答えが返ってくるのがオチです。

 そんなに突っ張らなくてもいいのにと思うのですが、そこは譲れないところがあるのでしょう。それはそれとして、見込み客の集客ができている会社はほとんどありません。しかしご安心ください。皆さんどの会社も集客に苦労しているのです。中小企業だからではありません。年商5000億円のメーカー、年商1兆円の総合商社、そんな大企業でもイベントの集客には苦労しています。集客できなければイベント自体の実施価値を問われることになりますので、無理やり動員することをやり始めます。表現の仕方はあまりよくはないですが、いわゆる「飲み食い、景品」で集客することになります。これは大規模イベント、大規模展示会になればなるほどこうなりがちです。

 会社や商品の知名度を上げるため、顧客を喜ばせるため、などという理由でこういったイベントがこれまで数限りなく行われてきました。ところがここ最近のコロナ禍でイベントの縮小や中止が相次ぎ、喜ばしいことに無意味なイベントがずいぶん無くなりました。やっている本人はそれで満足?しているのだから、喜ばしいとは失礼な言い方ですが、本当のことですから仕方ありません。

 今後、コロナ感染が落ち着きワクチンが開発されれば、また元のようなイベントが開催されるのでしょうか?たぶんそうなると思います。当社が開発した「ショールーム営業」を実施している会社は、全国を見渡してもたぶんないからです。「ショールーム営業」を実施している会社がないから当社がコンサルティングしているわけです。大企業でさえこうなのだから、中小企業は見込み客を集客できなくても仕方ないなどと思ってはいけません。実は、中小企業のほうが「ショールーム営業」に取り組みやすいのです。効果も早く出ます。

 そこで提案ですが、これまでとは違ったショールームイベントや展示会を開催しませんか。コロナ禍で世の中が変化しています。変化しているとはいえショールームや展示会は無くなりません。ビジネス上絶対に必要なデバイスだからです。ただ、その使い方や実施の仕方はもう元には戻さないほうが皆さんのためになります。飲食サービスや景品、半端ない値引き率のチラシを大量に撒いて客寄せする、そんなイベントはもう飽き飽きです。もっと足を地につけたイベントをやりましょうよ。

 先日、知り合いのご夫婦が、近くのショールームに行った時の様子を話してくれました。それほど大きくはないショールームでしたが、館内には所狭しとマルシェのような出店が並んでいました。食べ物やアクセサリー、洋服、バッグ・・・。ここ何のショールームだったっけと一瞬目を疑うような光景。そうまでしても客足はまばらで、出店の方たちは暇そうに下を向いてケータイを見ている始末。ご夫婦はある程度期待して行ったのですが、見事に裏切られ早々に帰ってきたそうです。

 イベントや展示会を行う目的は、営業力を高めるためです。人を育てるためです。もちろん、それによって売上・利益を増大することですし、他には情報の発信・収集も目的といっていいでしょう。しかし、究極的には「人を育てる」という真の目的がなければなりません。その効果測定の場としてイベントや展示会があるのです。ここを忘れてはなりません。

 ショールームは貴社にとってかけがえのない財産です。また、展示会も重要な商談の場です。うまく使えば人は育ち、売上・利益も増大します。そして企業は成長します。コロナをいい機会に使い方を変えてみませんか。

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