第254話「もったいないショールーム」が次々と生まれる理由



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「いや~、セミナーはウチのことを言われているんじゃないかと思いました」

 こう話すのは、当社のセミナーに参加したリフォーム会社の社長です。

 セミナー終了後、希望者には30分の無料個別相談を承っています。承るのは1社のみです。セミナー終了直後で、複数のご相談を承ると、あとのお客様をお待たせすることになってしまうからです。

 セミナーの最後に質疑応答の時間がありますが、個別相談は多くの場合、他者には聞かれたくない質問をしたいときに、事前に申し込まれます。

 その個別相談の時間に、この社長はこんな話をしてくれました。

「先生の『特にリフォーム会社のショールームは、知らず知らずのうちに物置になってしまう』という話は堪えました。まるでウチの会社のことを知っているんじゃないかと思いましたよ」

 セミナーでは、当日の参加者の会社を実例として取り上げることはしません。当然です。初めてお会いする社長ですし、その社長の会社を詳しく知っているはずがないからです。

 ところが、自分の会社のことを言っていると思われる方が続出します。それだけ、ショールームを物置として使っているリフォーム会社が多いというわけです。

 これは「中小企業だから…」というわけではありません。大手企業の子会社が運営するショールームでも同じことが起きています。また、儲かっているリフォーム会社でも同様です。

「儲かっているならいいじゃないか!」と思われるかもしれませんが「そのようなもったいないショールームを上手く使えばもっと儲かるのに…」と言いたいのです。もしくは「お客様にそんなところを見せたら、夢を売る商売としてはうまく行きませんよ」と言いたいのです。

 それではなぜ「リフォーム会社のショールームが、そのような物置になってしまうのか?」の理由ですが、これははっきりしたことは言えません。はっきりしたことは言えませんが、多分こうだと当社は分析しています。

1、経営者に本物の価値観がなく、なんでもいいから売れればいいと思っている

2、お客様の夢の実現をお手伝いするビジネスであるにもかかわらず、そう考えていない

3、ショールームは製品の機能や性能を説明する場所だと考えている

 要するに「ショールームとは、こういうものだ」とか「リフォーム業だからショールームは持っていて当然」とか「ショールームがあれば集客できる」とか、そんな理由でショールームを作っているということです。よく考えて作っていないのです。

 ショールームを物置にしている会社の経営者は、上記の理由が1つだけの方は少なく、上記の理由が全て当てはまる方ばかりです。それが複雑に絡み合って「もったいないショールーム」にしているのです。

 当社としては「もったいないショールームをなくしたい」という、創業当時の理念を持ち続けていますので、セミナーでもコンサルティングでも、お客様にとっては少し耳障りの悪い言葉で表現します。ここでは書きませんが…。その方が分かりやすいからです。

 お客様に「あなたは、何故このビジネスをやっているのですか?」と、お聞きします。そうすると、答えられない方が多いです。もしくは「商売繁盛のため」などと、頓珍漢な答えを返す方もいます。

 ビジネスとか商売ですので「お金儲け」で間違いないでしょう。しかし、自分の価値観と向き合い「お客様の夢の実現のお手伝い」をしているという理念を持ち続けてほしいと思います。それが商売繁盛の条件だし、それがなければ淋しい経営者だと思うからです。

 あなたはショールームを「物置」にしていませんか? 自分の価値観と向き合って、それをお客様と共有できていますか?

 


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