第187話 値下げすればするほど、お客様の満足感はなくなる
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最近はインフレで何もかもが値上がりしていて、いやになっちゃいますね。日銀が2%のインフレ目標を掲げて以来10年になりますが、ここへきて急激なインフレに見舞われています。しかし、どうも日銀が目指したインフレではないようです。
当社が支援している住宅メーカーも仕入れ価格が上がってしまって、住宅販売価格(坪単価)をあげざるを得なくなりました。もともと高付加価値住宅を作っていますので、安くはない販売価格です。それに加えて、材料価格の高騰でさらに価格が上がってしまったということでご苦労されています。
「先生、これ以上材料価格が上がると、やっていけなくなるんじゃないかと思うんです」
「坪単価をあげなきゃいけないし、上げたら上げたでもう売れないんじゃないかと心配です」
「どうすれば良いでしょうね」
この会社の特長は、本物の住宅を地元のお客様にリーズナブルな価格で提供していることです。狭いエリアで、地元密着ビジネスに徹していますので、管理コストや施工コストが低いからできることです。
「社長、ちょうどいいじゃないですか。値上げしましょうよ」
社長は「え?!」といったまま絶句です。「そんなことできるの?」といった顔つきです。社長は気付いていないかもしれませんが、住宅のような高付加価値な製品は、高価格だからこそ価値が出るのです。
例えば、1億円の住宅があったとします。この住宅を10%値引きしたとします。すると販売価格は9千万円ですね。これでお客様は喜ぶでしょうか?
1千万円安くなったということで、お金の面では得をした気がしますが、さて満足感はどうでしょう。買ったのは1億円の住宅ではなく、9千万円の住宅です。したがって満足感も10%下がってしまいました。
低価格住宅は住むには十分ですが、住まう満足感はありません。安いなりの住宅だからです。
しかし、高付加価値住宅であれば品質もそれなりに高いでしょうし、何より高価格であることに施主は満足します。「高いモノはいいモノだ」という錯覚を利用するのです。
錯覚と言ってしまったら身も蓋もありませんが、この会社はまさに本物の住宅を作っています。したがって、もっと高くてもいいはずです。その方がお客様は満足します。だから値上げしましょうと申し上げたのです。
ただし「三種の仕掛け」はキッチリ提供することが不可欠です。三種の仕掛けとは、「おもてなし」「ズレの修正」「驚きと感動」です。もし三種の仕掛けを仕掛けなければ、お客様はあなたの会社から離反してしまうでしょう。三種の仕掛けがあることによって価値は高まり、お客様の満足感も高まるのです。
低価格住宅を作っているのなら、施主は安い方がいいに決まっています。そうではなく、ある程度お金を持っている顧客層を相手にしているのですから、お客様の満足感をくすぐる価格設定が必要です。
1億円の住宅は9千万円で売ってはいけません。施主の満足感も10%下がってしまいますよ。