第176話 コンサルティング導入に反対をしていた役員は契約後どうしたか?
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当社がお客様とコンサルティング契約を結ぶ時点で、全ての役員の方が賛成というわけではありません。中には「絶対反対」という方もいます。
反対の理由はそれぞれです。コンサルタントに頼るのではなく、「自分たちで何とかするのが筋だろう」というような理由が多いようです。また「本当に信用できるのか」という疑問を持つ方もいます。
冬本番の寒い日にコンサルティングに伺うと、その会社の社長と専務が二人で待っていてくれました。今回は第2回目のコンサルティングの日です。
「社長、専務、こんにちは。今日はよろしくお願いします」
「先生、こんにちは。寒かったでしょう」
こんな簡単な挨拶をしたところで気が付きました。
「あれ?T取締役はどうされましたか?」
「えぇ先生、実は、退職しました」
予想もしなかった言葉に一瞬絶句しました。少し沈黙があって、「なんで?」
実はこのT元取締役、コンサルティング導入に反対していたのです。しかし、社長や専務の説得(?)により、しぶしぶコンサルティングを受けることになったのでした。
第1回目はおとなしく受けていただいたのですが、どうやらその後、納得がいかないと言って取締役をなげうって辞めてしまったとのこと。
「えぇぇぇー、もったいないですね~」
当社としては、何もそこまでして反対しなくてもという思いがあります。コンサルティングに入る前から社長に反対者がいると聞かされていましたし、このような方は実際にコンサルティングに入ると一変することもありますので、かなり期待をしていたのです。
ところがこのような結果になってしまい、かなり残念な思いです。まあ、ほかにもいろいろ不満があったのでしょうが。
コンサルティング導入に反対ということは、自分の意見を持っていて、自信がなければ会社の方針に反対できません。したがってこの元取締役もそのような方だと思って、コンサルティングに入れば強力な推進役になってくれるだろうと期待していたのです。
それは、以前にも別の会社で経験があったからです。同じように、コンサルティング導入に反対している役員の方がいました。個別相談に伺ったのですが、お話を聞こうとしてもけんもほろろ、全く相手にしてもらえません。
一生懸命コンサルティングの説明をして、ショールームで現状の問題点や改善点をご提案していくうちに、少しは和らいできたかなと思いながらも、「こりゃあ、ダメだったかな」という思いを残しつつその会社を後にしたことがあります。
後日、思いがけなくコンサルティングの申し込みがありました。そして、この取締役がコンサルティングのメンバーとして入ってきました。実際にコンサルティングが始まると、それはそれは真剣に取り組み、リーダーシップも発揮していただきました。個別相談のときとはえらい違いです。
その後順調にコンサルティングも進み、その会社は成果を出しています。
「先生、御指導ありがとうございました。先生のおかげです」。取締役のこの言葉がすべてを象徴しています。この取締役は従順ではありませんでしたが、順応性がありました。そして反発力も半端ないものがありました。
今回は二つの事例をお話ししましたが、なぜこのような両極端なことになるのでしょう?
T元取締役には、個人的な事情とか他者では計り知れない事情があるはずです。それと、初めてお会いした時の当社の接し方に問題があったかもしれません。
もっとうまくガイドするような接し方、「一緒にやっていこうよ」というような言葉のかけ方、そんなものがあればT元取締役はやめずに済んだかもしれません。もしそうであれば、当社にも責任があります。
コンサルティングは、ノウハウをお伝えすればそれでいいというものではありません。納得して受けていただかなければいけませんし、コンサルティングが苦痛に感じるようではいけません。したがって、楽しくにぎやかに、その中にもピリッとした雰囲気があるコンサルティングを心がけています。
当社の心がける目標(モットー)は、「楽しくコンサルティングをやる」です。そしてもちろん「成果を出す」ことです。成果が出なければ意味がないですし、受講するみなさんが難行苦行のコンサルティングに感じてしまっては逆効果です。
楽しくやって成果が出て、みんなが笑顔になるコンサルティングを、当社は心がけています。