第185話 社長が常に鍛えておくべき能力とは
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「いや~、先生、久しぶりに草刈りをしたら腕がパンパンですよ。ずいぶん訛っていたようです」
先日、コンサルティング実施のために、支援先会社の社長に迎えに来てもらった車中でこんな話になりました。そろそろ春めいて温かくなってきたのはいいですが、厄介なのは花粉と雑草だと言います。
2月ころから花粉が飛び始めますので、花粉症の方は1~2か月は大変な思いをしているでしょうが、この社長はそれに加えて、雑草が伸びてきてその草刈りに大変だというのです。
「冬の間は草刈りをしないでしょう。何か月ぶりに草刈り機を持つと応えますね」
社長は個人的に小さな田畑を持っていて、ちょうどこのころになると雑草が伸びてくるので草刈り機で刈ると言います。それで久しぶりにやったら筋肉痛になったとのこと。やはり鍛えていないといけないようです。
常に鍛えておかなければならないのは、筋肉だけではありません。頭もそうです。
「先生、筋肉と同じで頭も鍛えておかなきゃいかんですよね」と、この社長。苦労しているだけあって、よく分かっています。どうやら頭を使うことが多いようです。
社長は毎日が判断、決断でしょうが、それを怠るといい判断ができなくなります。そして決断できなくなります。
判断をして決断をして、そして責任をとるのが社長の仕事ですから、それができなかったり鈍ったときは、会社がおかしな方向へ向いてしまいます。
常に頭を鍛えておくことはいい経営につながりますが、草刈りのように「久しぶりに判断した」では、「その判断大丈夫?」と言いたくなりますよね。
事実、ある営業戦略の立案に関して、なかなか決済を下さなかった社長がいました。若くて経験の少ない社長でしたので、周りの役員とか社員にまで意見を聞いていたようです。ところが意見を聞けば聞くほど、どうしていいか分からなくなり、ズルズルと時が過ぎて行ってしまいました。
これで困ったのが役員の方たちです。社長が判断・決断しないため動けないのです。「どうしようか?」ということになり、役員で話し合った結果、見切り発車で戦略案を実行してしまいました。
これを社長が知ることになって、社長は激怒。「なんで勝手にやったんだ!」ということになり、社内は険悪ムードに。
しかし、何度も催促されながら決済しなかったのですから、悪いのは社長です。役員とやりあってしまいましたが、役員が折れてわびたため何とかこの場は収まりました。
判断力を鍛えるには、常に小さな判断を繰り返し行うこと以外にありません。そしてそれを検証する以外にありません。どうせ決まった答えはないのですから、その時点で最も効果的だと思える案を採用するしかありません。
ショールーム営業コンサルティングは、その中で宿題が出ます。その宿題を行うには判断力、決断力が必要です。宿題は会社の営業戦略の方向性を決めるための宿題だからです。当社が宿題をお手伝いすることはありますが、判断・決断するのは皆さんです。
皆さんは、頭を鍛えていますか。判断力、決断力を磨いていますか? いざというときに頭が鈍っていると使い物になりませんよ。