第323話 もはや「普通」では儲からない

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「良くも悪くも、普通じゃダメなんですよ」
これは、大阪万博関連のテレビ番組を見ていた時に聞こえてきた言葉です。大阪万博は成功裡のうちに終了しました。万博が開催される前と最初のころは人々の関心はいま一つでしたが、徐々に盛り上がりを見せるようになりました。そして秋口に入り終了間際になると大盛況となり、万博終了を惜しむ声が多く聞かれました。
今回の大阪万博だけでなく国際的なイベントでも、このような現象はあるようです。始まる前はあまり関心がなく、いざ始まってみると人々の関心が集中するようになり、終わってしまうと「○○ロス」なんて言われるようになります。大衆心理なのでしょうか?
さて、大阪万博のキャラクター「ミャクミャク」ですが、はじめ見たときは「なんじゃありゃ!?」といった感想でした。皆さんはどうだったでしょうか。
ところが万博終了前後は大人気となり、万博の顔として、その役割を十分に果たしました。冒頭の言葉は、そんなミャクミャクを評して生みの親が発しました。
「普通のモノ」は、普通にどこにでもあります。それがいい場合もありますが、普通ということは、もうすでに先行者がいるわけで、その先行者に利益は支払われています。ということは、普通で儲からないということです。
それでは、どうすれば儲かるのか? 新しいレールを自分自身で敷くか、それができなければビジネスのくくり方を変えることです。
新しいレールを敷くとは、いままでになかったモノやサービスを作り出して、新しい方法で販売することです。
今までにないわけですので、自分の前に先行者はいません。そのレールを自分で敷いて先行して走れば、追い越されることはありません。もし追い越されることがあれば、途中の駅に止まって休んでいるときでしょう。同じレールの上を休まずに走っていれば、追いつかれることはあっても追い越されることはありません。
「そんなこと分かってるけど、それができないから困ってるんじゃないか!」という方もいるでしょう。確かにそうです。新しいモノやサービスを生み出すのは容易ではありません。経営者に創造力が必要です。そのような方は、ビジネスのくくりを変えてみてください。
例えば、あなたの会社は住宅を建築して販売するビジネスを行っているとしましょう。あなたは、ただ単に住宅を作って販売するだけですか? それとも、お客様の生活スタイルを考えて、将来にわたって満足してもらえる住宅を作り販売しますか?
もし、ただ単に住宅を販売するだけなら、それはお金儲けのためだけの「住宅販売業」でしょう。そこには住宅という機能にしか価値はありません。そうであれば高くは売れませんね。他社も同じような機能を持った住宅を販売するため、価格競争になるのは必至です。これでは儲からないということです。
そうではなく、自社のビジネスを「価値提供業」と、くくり方を変えてきてみてください。形の上では住宅を販売していますが、住宅の機能だけではなく、お客様に住宅を通して満足という価値を販売している、という風に考えてください。
どんな価値を提供するのか? それは、あなたの独自の価値観で決まります。自分が住むなら、こんな家に住んでみたい、という思いを形にしてみるのです。
「質素だけど、安らぎのある家」
「四季を感じられて、季節の移ろいを楽たのしめる家」
「家族との絆を大切にしたい、ぬくもりのある家」
それらは、当然ほかの住宅メーカーと違っているはずですので、他社にまねのできない住宅が出来上がります。そしてそれは、新しいレールを敷くことにほかなりません。
「自分の価値観を、お客様に押し付けるなんて…」と思うかもしれませんが、中小企業がお客様のニーズや需要を拾って製品化する、いわゆるマーケットイン型のビジネスは避けなければなりません。
そこは大資本の大企業がうじゃうじゃいるレッドオーシャンだからです。中小企業が勝負できるのはプロダクトアウト型のビジネスです。自分の価値観に合うお客様を探しだすことが必要です。そこには競合相手のいないブルーオーシャンが広がっています。
自分自身の価値観で製品やサービスを作り出し、その価値観に合うお客様を探し出し、そのお客様と価値観を共有できれば、ほかの見込み客も共感・共鳴してくれます。そうすれば、そこには「重力」が生まれます。そして新しいビジネスの誕生です。
何も奇抜なアイデアが必要なわけではありません。突拍子もない製品やサービスを作る必要もありません。大切なのは、あなたの価値観をどのように表現するかです。
それができれば「新しいレールを敷けた」「ビジネスのくくり方を変えた」といえるでしょう。あなたは「普通」で儲けようとしていませんか? 自分の価値観を大切にしていますか?



