第270話 コストをかけている割には契約が取れない経営者に共通する特徴



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「先生、ウチは新聞広告もイベントも、結構コストをかけて実施しているんですが、どうも思ったような成果が出ずに困っているんです」
「他所はどうなんですか?」

 こう話すのは、外壁塗装を中心に住宅リフォームを行っている会社の社長です。個人相手の外壁塗装ですので、大きくはないですがショールームをお持ちです。B2Cビジネスですので、土日祝祭日はショールームを開けていますし、営業関係の社員も出勤しています。当然、イベントを開催するにしても休日の方が集客しやすいからです。

 平日にお客様がショールームを訪れることはまれですので、どうしても休日にイベントを行って集客し、契約を取ろうとします。

 これはこれで問題ないのですが、この会社の場合、その集客のしかたに問題があります。いや、この会社だけでなく、多くの会社に言えることです。

 その問題とは、集客にコストをかけすぎていることです。「コストをかけて何が悪い!」とおっしゃる経営者の方もいるでしょうが、「コストをかけずに集客して契約できれば儲かるでしょ!」と言いたいのです。

「そんなうまい方法があるのか?」と言いたいでしょうが、あるんです。ただし「コストの代わりに必要なものがありますよ。それがなければ、うまく行きませんよ」と申し上げています。どういうことか、ご説明します。

 皆さんは、週末になると住宅リフォーム会社から、派手なチラシが入ることをご存じでしょう。そのチラシを、よくご覧になったことがありますか?

 大抵は、来場特典として景品。見積もり特典として景品。成約特典として景品。景品、景品、景品…。そして○○割引。安いですよ、安いですよ、安いですよ…。こんなチラシです。

 こういったチラシが全く悪いとまでは言いませんが、ほかの会社のチラシもよく見てください。同音異句に景品と安値の文字が躍っています。ということは、どこの会社もこのようなチラシで集客しているし、景品も似通っているし、割引率も似通っています。要するに、何の特長もないチラシになっているということです。

 このようなチラシを打つ経営者の方は、言葉は悪いですが、営業力なし、戦略なし、知恵なし、3なし状態の方です。景品と安値で、集客と契約を企んでいる方です。

 これらも「それで儲かっているなら文句ないだろ!」と言われてしまいそうですが、賢い消費者は、そのコストは契約価格に含まれていると分かっていますので、すんなりと契約することはありません。

 合い見積もりを取って、どちらが安いのか、徹底的に価格交渉します。担当の営業は安値でも受注したいですから、結局値引きをします。そして社長からは「なんでこんなに安値にしたんだ!」と怒られるのです。

 これは、儲からないスパイラルに巻き込まれていると考えられます。景品と安値で集客し、値引きで受注する。これぞ儲からないデフレスパイラルです。

 そうではなく、儲けている経営者の方は、これと反対のことをしています。そうです。インフレスパイラルを自分自身で作り上げているのです。

 景品なし、値引きなし。その代わり、営業力を徹底的に鍛え、戦略を練り、知恵を働かせています。そして導線を設計し、必勝パターンを確立し、しくみを作っています。安くすると、返って売れないことを知っているからです。要するに、自社ブランドを大切にしているのです。

 景品や安値が悪いと言っているわけではありません。使う時と場所と人が間違っていると言っているのです。

 集客にコストをかけてはいけません。そうではなく、リピーターにコストをかけてください。そうすればリピーターはファンになってくれます。ファンはあなたの会社の良い口コミを流してくれます。そうすれば、ますますリピーターとファンが増えます。

 集客に景品や安値でコストをかけても、リピーターやファンにはなってくれません。なぜなら、仮に契約したとしても、納得感もないし満足感も無いからです。安いものを安く買ったという感覚しかありません。

 コストをかけている割には契約が取れない経営者の方は、こういったことが分かっていないか、分かっていても現状から抜け出そうとしていない方です。ここが共通点です。だから、本当の意味で儲からないのです。

 あなたは、この理屈が分かっていますか? 分かっているのなら、今すぐ実行してください。

 


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