第213話 逆風に逆らうな、利用せよ ~ショールームイベント成功のポイント~
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最近はコロナも収まってきましたので、皆さん観光やらお祭りやら、いろいろな遊びに行事に大忙しではないでしょうか。そうは言っても、これから寒くなって季節性のインフルエンザが流行しそうな気配です。またコロナも完全に終息したわけではなく、ぶり返すようなことを話す人もいますので安心できません。
「先生、先生とコロナのおかげです!」。こう話す社長がいます。こちらとしてはコロナと一緒にされてはかなわないのですが、こういうことです。
この社長、小さなショールームを所有していて、定期的にイベントを開催していました。イベントを開催するのはいいのですが、問題はその集客のしかたです。
とにかく集客することに執念を燃やしていて、集客すれば何とかなるという考えの持ち主です。したがって集客のために、いわゆる「飲み・食い、景品」を提供していました。しかし、こんなことで売り上げが上がるはずもなく、毎回、手間ばかり掛かって儲からない「集客の罠」にはまっていました。
ところがコロナが流行しだして、それまでできていた集客さえもできなくなります。とにかく、小さなショールームで完全な「密」状態ですので、飲み・食い、景品があっても集客できません。もし、そんなところへ行けば、周りから白い目で見られかねません。実際、密閉されたライブハウスなどで、クラスターが発生したというニュースもいくつかありました。
このころ多くのショールームは、密を避けるために入館制限をしたり、完全予約制を導入しています。これはショールーム活用という意味では、完全に後ろ向きの苦肉の策です。
「このままでは、まずい!」と思った社長は、当社に連絡を取りました。個別相談にお越しになって、お話を伺いましたが、何とかしたいという社長の心意気を感じましたので、ご指導することになりました。
「社長、コロナが流行してちょうどいいですね」。こう申し上げると、社長はきょとんとしています。「コロナで迷惑しているのに、なんでちょうどいいの?」と言いたげです。
そこで、この発言の真意をご説明したところ「なるほど!」と言って納得していただきました。その真意とはこうです。
たくさんのお客様を集客していたにもかかわらず、売り上げが上がらなかったのは、本物の見込み客を集客できていなかったからです。本物の見込み客とは「購買権のある人、購入の意思のある人」のことを言います。したがって、本物を集客できれば契約率は爆発的に上がります。
飲み・食い、景品で集客すれば、集客数は多くても契約率はぐんと下がります。なぜならお客様は、飲み・食い、景品が目当ての人だからです。
社長にはコロナを理由に完全予約制にして、集客を絞ることを提案しました。その代わり、本物の見込み客だけを集客するための営業方法を授けました。
実は、これが当たりました。
飲み・食い、景品なし。完全予約制。本物の見込み客しか集客しない。これでイベントに集客できたのは、2日間でたったの3組。ところが、その3組が契約してくれました。契約率100%です。
簡単に書いていますが、もちろん相当な営業努力をしています。努力なしに、本物の見込み客を探し出すことなどできません。しかし、どうやら契約者は、以前からイベントが気になってはいたが、会場がごった返しているために行きづらかったと言います。要するに、違う人を集めた結果、本物が来てくれなかったということです。
この会社の社長はこれに味を占めて(?)、今でも入館制限、完全予約制にしています。その方が契約率は高いし、手間も時間もお金もかからないのでいいとのこと。
コロナ流行の前から完全予約制にしていた会社はありました。しかしそれは、接客する人がいないとか、いつもは閑古鳥が鳴いているので事前に知らせてくださいね、といった後ろ向き戦略でした。
そうではなく、コロナという一見逆風ともいえる状況を利用して、自社のビジネスを作り上げたこの社長にエールを送ります。逆風だと思っていた状況が実はチャンスだったという好例です。
皆さんは、どのように逆風を利用していますか?