第161話 大企業が大手コンサルファームを使うばかげた理由

 大企業がコンサルタントと契約する場合、コンサルタントの実力よりも、そのコンサルタントがデータを持っていて、客観的に成果を期待できるということに重きを置きます。

 成功を数字で示さなければ、会社の奥の方にいる人や株主に説明できないからです。また、ロードマップを作ったうえで関係部署にハンコを押してもらわなければなりません。要するに、失敗したときに言い訳できる環境を整えておかなければ、怖くて契約できないのです。

 したがって「このコンサルタントは信用できそうだ」とか、「このコンサルタントにかけてみよう」などという判断には決してならないということです。

 運良く契約、コンサルティングの開始となっても、コンサルタントを下請けか、よくても外注くらいにしか見ていません。そして現場は数字攻めで「ヒーヒー」言うことになります。彼らは数字でしか管理できないのです。

 会社の経営層は頭脳であり現場は手足ですので、頭脳がデータを送って命令し、それを手足が受け取って忠実に行動することになります。

 ところが、現場はデータのように正確に動くわけではありません。なぜなら感情を持った人間だからです。したがって、処理できなかったデータは廃棄されるかスルーされて、自分たちの都合の良いデータだけを使って機械的に営業・業務を行うことになります。

 ここには人間の温かみはなく、命令された手足は疲弊していきます。そして、本当はもっといいコンサルティングの方法があることを薄々知っていながら、それを実行できない頭脳は頭を悩ませるのです。「やっぱり失敗だったか!」と。

 ところが「大手コンサルファームでも失敗するのだから仕方ない」と言い訳します。個人コンサルタントに依頼して失敗すれば「それ見たことか!」というに決まっているのに。

 この点、中小企業、特にオーナー企業は社長がいいと思えばそれで契約です。失敗したとしても、責任は社長がとればいいからです。他に文句を言う人はいません。

 だからと言って、コンサルタントが社長のご機嫌を取るような真似はしません。社長が間違っていれば、「間違っています!」とはっきり申し上げます。それがコンサルタントの役目だからです。

 加えて、社長にいつも迎合しているようでは成果を出すことができないからです。それくらいコンサルタントは責任をもってコンサルティングを行っていますし、お客様と向き合っているということです。

 当社が契約の前にお話しさせていただくことは、「当社は結果に責任を持てません」「なぜならば、実際に実践するのはお客様自身だからです」「ただし、当社はお客様が成功するように全力でお手伝いします」と申し上げています。

 本物の経営者であれば、セミナーや個別相談を通じて、信頼も信用もできるコンサルタントか、そうでないかは肌感覚で分かるものです。決して数字やデータを頼りにしません。そんなものは役に立たないことを知っているからです。

 当社の著書を読んだ経営者の方が、セミナーにお越しになりました。その経営者の方は「本を読んで感銘を受けた」「セミナーに参加して人物を肌で感じて自分で判断しなきゃいかん」と言って参加されました。

 当社のセミナーでは一切、数字やデータを示しません。そんなものを示しても意味がないからです。本物の経営者が何を掴みにセミナーに参加しているかを知っているからです。

 当社は、コンサルティングで貴社の成功を約束はできませんが、全力でお手伝いすることを誓います。

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