第61話 人は見かけによらず凄い能力を持っている
見かけによらず凄い能力を持っている人がいます。すごい能力を持っていながら活かすことができていない、活かそうとしない人を知っています。この能力はどれくらいの経済価値があるんだろうと、値踏みしてしまうところに凡人の悲しい性が出てしまうのですが、それはさておき、そんな方々をご紹介します。注)「見かけによらず」ですので、見た目は大したことなくても実はすごい、という人です。見かけも中身もそれなりにすごい人ではありません。
第1話 陶器師
東海地方の、ある焼き物の産地に桃山古陶を完全に再現する「陶器師」がいます。「完全」ですから、この陶器師が作る桃山写しは古陶器と見分けが全く付きません。違うのは時代からくる古さだけです。その古ささえも作為をくわえれば全く同じになります。土、釉薬、絵の具などの原料や焼成条件も400年前の当時と同じ。したがって当然、同じものができるに決まっています。一部の識者は「桃山古陶にはおおらかさがある、ふっくらとした柔らかさがある」などとのたまう方がいらっしゃいますが、そんなものは桃山古陶を美化するためのうわ言にすぎません。
この陶器師が作る桃山写しは桃山古陶と見分けがつかないため、悪意を持った人間が桃山古陶と偽って流通させるのを防ぐ意味で、必ずサインを入れます。もしサインを入れずに、完器として流通してしまったら大変なことになります。誰も見分けが付きません。写しが偽物となり、それが本物として流通するのです。考えただけでも恐ろしいことです。これだけの技術、ノウハウを持っているのだから、この方をプロデュースする人がいたらどんなにすごい人になるんだろうと想像するのですが、当人はいたって欲がありません。凡人にはもったいないなあと思うほかありません。
第2話 保険外交員
損保会社の保険外交員だったこの方、常に営業成績1位、年収は歩合給があるため管理職よりかなり多いというスーパーセールスマンでした。そのためその業界では名が通っていて、同業他社からスカウトの引く手があまた。しかし、どんなに好条件を提示されても動きませんでした。そのスーパーセールスマンが50代半ばで会社を辞めると言い出したのです。そんな人が何でやめるのか?待遇に不満があるわけでもなく、人間関係が悪いわけでもありません。理由は「もう十分働いて、この先大きなお金がいるわけでもないので、辞める」だそうです。
会社を辞めるにあたって、引き留めのために会社からいろいろ処遇を提案されたのですが、あっさりやめてしましました。何の未練もないそうです。それで今は何をやっているかって?プータローやってます。奥さんと旅行に行って楽しい人生を送っています。これだけの能力がありながら、それを活かさないなんてもったいないと思うのは、凡人である証拠かもしれません。
第3話 元会社経営者、現在事業再生コンサルタント
元経営者で現在事業再生コンサルタントをしているこの方、以前経営していた会社を倒産させてしまいました。事業が順調な時期もあったのですが、リーマンショックなどの外部環境の変化についていけず、不幸な結果となってしまいました。しかし現在は、この時の経験を基にコンサルタントとして再出発しています。どんなコンサルティングかというと・・・。
まず、補助金・助成金申請のノウハウを必要な人に教えています。このコロナ禍で困っている人、小規模事業者で設備投資や広告宣伝を打ちたい人はたくさんいると思います。このような方々に適切な申請ができるよう教えているのです。もちろん、違法なことではなく詐欺まがいなことではありません。念のため。
次に、銀行との交渉です。以前経営していた会社を倒産させてしまったときに、実体験として身につけた交渉術です。借入金を返済せず、会社を倒産もさせず、もちろん自己破産もせず生き延びる方法です。どんな方法なのか具体的にはここでは話せませんが、これも違法ではなく、詐欺でもなく、まったく合法です。税理士とか行政書士とか弁護士とか銀行とか、そういう人たちとは違う、泥臭い実体験をもとに身につけたノウハウです。理論とか法律とかでは解決できないノウハウを持っています。
このような能力があるにもかかわらずコンサルタント料はリーズナブルで、時には出世払いでコンサルティングを受けることもあります。しかもこの方、クライアントが立ち直って、暗く沈んでいた顔が笑顔になっていくのが楽しみだと言います。そういった苦しんでいるクライアントを助けるのは、コンサルタントみょうりに尽きると言います。もっとうまく自分のノウハウを売っていけば大先生になれるはずだと思うのですが、この辺が凡人たるゆえんかもしれません。
以上、3つの話をしました。どれも市井に埋もれている人ですが、世の中にはすごい能力を持った人がいて、それを活かせば・・・、と思う次第です。同様に、世の中にはすごい技術を持った中小企業はたくさんあります。しかしそれを製品化して商品に転換できている会社はごく稀です。OEM受託生産や下請けに甘んじている企業は数多くあります。そういった企業が自社のブランドで製品化~商品化できたらすごいお金に変換できるはずです。全くもったいない話です。
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