第340話 家づくり考 (その3) 商品を磨け



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 これまでに、家を建てる目的と安らぎを求めるお客様のために、どうすればいいかを考えてきました。今回、その3では、どうしたらそのような住宅を供給できるのかを考えてみます。

 そこで、あなたは今、工務店か住宅メーカーの社長だとします。実際に工務店の社長であれば話は早いですが、そうでなければ、あなたが工務店の社長だとして考えてみてください。

 あなたは、どんな住宅を作ってビジネスをしたいですか? そして、その家に、あなたは住みたいと思いますか?

 単純な質問で恐縮ですが、自分の作った家に住みたいと思わなければ、それはお客様に偽りの住宅を提供していることになります。自分が住みたいと思わない家を、お客様に販売するのですから、当然、そうなります。

 以前、こんな話を聞いたことがあります。実際にあった話です。

 トイレやキッチンなどLIXILの住宅設備機器を主に、設備工事ビジネスを行っている会社がありました。この会社の社長が自宅を新築した時のことです。

 当然、住宅設備機器はLIXILを採用するものと思われたのですが、実際にはTOTOを採用したのです。なぜか? 社長曰く「TOTOのほうが商品の品質がいいから」。

 これって、どう思いますか? ビジネスではLIXILを使い、自宅を新築するときは品質の高いTOTOを使う。お客様を騙していませんか?

 本当に自分がいいと思う商品をお客様に提供する。これはビジネスの基本です。そうであれば、この住宅設備会社の社長は、自分がいいと思うTOTOをビジネスでも使わなければなりません。

 もう一つ。ある住宅会社の社長が、当社のセミナーに参加されました。その社長に「社長が考えるいい住宅とは何ですか?」と質問した時に返ってきた言葉です。「価格が安くて広い家」。

 この社長は完全にスペックの罠にはまっています。もちろん、そのような家を望むお客様もいるでしょうが、そのような住宅では価格競争の真っただ中でビジネスをする羽目になります。それで本当にいいのでしょうか。

 もちろん「売れるモノを売るのがビジネスだ」とか「売れないものを作っても売れない」などと考える方もいるでしょう。しかし、長くビジネスを行っていく上では、自分が本当にいいと思うモノを、安定的に供給していくことが重要になります。

 マーケティングで言えば「売りモノを磨き、興味のある見込み客にアプローチし、なぜそれがいいのかを説明して納得してもらう」ことです。ここが大切なところです。

 もし、あなたが工務店の社長であれば、住宅という商品を磨いてください。そこには社長の信念とか価値観が入っていなければなりません。他人の真似をしたり、スペックばかりを追ったりしているようでは、必ず価格競争に巻き込まれます。

 自社独自の住宅を作って儲けたければ、社長の信念や価値観が現れた住宅が必要です。それは、世の中に二つとない住宅になりえます。スペックとか機能性で表現できませんので、マネをすることができないからです。そして、その時にショールームが必要です。

簡単に必要な要素を列挙すると、こんな風になります。 

1、商品を磨く
2、導線を設計して見込み客にアプローチする
3、なぜその商品がいいのかを説明して納得してもらう
4、三種の仕掛け(おもてなし、ズレの修正、驚きと感動)で契約率を高める

 鹿児島での個別住宅体験では、見事にこの要素が盛り込まれていました。

 何度か自宅近くの住宅展示場に赴き、そこで説明員の説明に耳を傾けたことがあります。しかし、ありきたりで通り一遍のスペックの説明に終始していました。

 どんな家を望んでいるのか、何に悩んでいるのか、どうしたらそれを解決できるのかという、お客様本位の接客にはなっていませんでした。

 もしあなたが、本当にお客様のためになる住宅を作って提供したいと願うなら、まず、あなた自身の価値観と向き合ってください。そして、その価値観を膨らませてショールーム(モデルハウス)で表現してみてください。

 機能性とかスペックとか、定量的なデータも大切です。しかし、もっと大切なのは、お客様の定性的な「こんな家が欲しい」です。

 多くの見込み客は家を定量的に考えています。そこで、あなたが定性的な「安らぎ」を提案したなら、価格競争に巻き込まれない住宅づくりができます。

 以上、3回にわたって、自身の家づくりについての考えと体験談をお話ししました。皆さんが、このコラムを通じて独自性のある製品やサービスを作り上げていただくことを願っています。

 商品やサービスは、皆さんの価値観で作ってください。見込み客にアプローチして、契約をとるまでの導線の設計は、当社がお手伝いします。

 

 


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