第333話 営業のバラツキをなくすために社長がやるべきこと



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「営業のバラツキをなくすといっても、実際には社員の上位2割が全体の8割の売り上げを上げているんですよ」

 当社のセミナーにお越しになった社長の言葉です。

 これはパレートの法則です。「結果の8割は全体の2割の要素で生み出される」というやつです。「8対2の法則」とも呼ばれます。皆さん、ご存じですね。ご存じないという方も、なんとなく聞いたことがあるのではないでしょうか。

 確かに、一般的にはそうです。何もしなければ、そうなるでしょう。

「売上の8割は、2割の優秀な社員が上げている」
「顧客の2割で、全体の売り上げの8割を占める」

 こんなことですね。

 これは普通の会社です。社長が何もしないで営業部隊に任せっきりにすれば、こうなります。

 優秀な、できる営業をどこからか連れてくれば解決するかというと、そうではありません。やはり8対2の割合になります。ということは、営業の結果を属人的にした場合、8対2の割合は変わらないことになります。

 そもそも、中小企業は経営資源が乏しいです。特に人とお金に苦労している企業が多いわけです。そんな中小企業に「増員」とか「適材適所」とか、やれないことを言っても意味がありません。

 そこで社長は手を打たねばなりません。7対3とか5対5とか、バラツキをなくすことを考えます。どうすればバラツキをなくすことができるのか? それは営業の「しくみ」作りです。

 優秀なできる営業は、持って生まれた営業の才能があります。顧客の心を読んで、安心感や満足感を与えるようなセールストークができます。これは努力ではなく、持って生まれたものです。

 もちろん訓練すればできるようになりますが、訓練したものと持って生まれたものでは、肌感覚で違いが分かります。純金と金メッキの違いとでも言いましょうか。鋭い顧客ならば見抜いてしまいます。

 そうであれば、できない人に無理に上手なセールスをやらせる意味がありません。メッキが剥がれたら、みっともないですから。そうではなく、下手は下手なりに一生懸命さを見せればいいです。そして、それに加えて「しくみ」を作ります。

 実例をお話しします。

 ある水道工事屋さんは、少人数の社員で事業を行っています。営業の専門社員はいません。一応、営業系と現場系に分かれていますが、営業が現場に出ることもあります。

 職人さんは基本的に工事の担当ですが、それでは営業力が不足してしまいます。したがって職人さんも営業するのですが、職人さんでは、なかなかうまく営業ができません。

 そこで社長は、口下手な職人さんのために「個別チラシ」を作りました。職人さんが工事現場に行ったときに拾ってくる情報をもとに、そのお宅の気になりそうな点をチラシに込めるのです。

 職人さんは、そのチラシを持ってお宅にお邪魔をして営業します。うまくセールスできませんが、チラシが物語ってくれるというわけです。そういうチラシを作るのです。

 これは増員とか適材適所とかいった対症療法ではありません。そうではなく「しくみ」を作るのです。 口下手な職人さんでも営業ができるようなチラシを作ることです。職人さんの口下手を「補完」するチラシです。これが社長の仕事です。

「うちは営業が弱いから、優秀な人材を募集したい」といっているようでは、社長は本来の仕事を放棄しているようなものです。

 もちろん、優秀な人材を獲得できれば、それに越したことはありませんが、そんなに簡単に見つかるわけでもなく、それをあてにする方がどうかしています。

 もし本当に優秀な人材を獲得したいなら、学卒人材を採用し、育て上げるしか方法はありません。そのためには、学校への「営業活動」が必須になります。もちろん中途採用という手はありますが、これは「対症療法」です。

 前段の水道工事屋さんは、メーカーのショールームを借りてイベントを行っています。そのイベントに、職人さんが営業をしたお客様が来てくれます。職人さんの、メッキではない無垢で真摯な対応と、社長はじめ社員全員がかかわったチラシが、お客様をショールームへと導きます。これが「営業のバラツキ」をなくすということです。

 増員や適材適所は、お金と人材が豊富な大企業がとる戦略です。経営資源の乏しい中小企業は是非、営業のしくみを作ってください。それが、中小企業がとる営業戦略です。そして、そのしくみを作るのは社長の仕事です。

 あなたの会社は営業のバラツキがありませんか。営業のバラツキをなくしたいと思いませんか?

 

 


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