第328話 経営者の仕事は経営である



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「先生、すみません。急用ができてしまって…、中座させてください」

 コンサルティングの最中に、クライアントの社長が発した言葉です。

 この社長は、ショールームを再活用して売上・利益をもっと上げようとしていました。これまではイベントに集客できないし、集客してもコストばかりかかるやり方をしていました。それで自社ショールームは「もったいないショールーム」と化していました。

 何とかしたいという思いが強いところに、当社の本に出会い、その縁でコンサルティングのご依頼をいただいたという経緯があります。

 その思いがあるならば、きっと一生懸命に取り組んでいただけるという、当社側の思いもあったためコンサルティングをお受けしたというわけです。

 しかし、その思いは裏切られました。コンサルティングの最中に「急用ができた」からといって中座するのですから。

 クライアントにとっては社運を賭けたコンサルティングのはずです。少なくとも当社は、そのつもりでお受けしました。ところが、急用ができたからといって中座するようでは…。

 実は、このようなことは、たまに起こります。特に、規模の小さい会社に起こりがちです。理由は、社長自身がプレーイングマネージャーだからです。自身が経営者でありながら、現場の担当者であったり営業だったりするケースです。

 この場合、ある程度仕方ない面はありますが、見方を変えれば「覚悟がない」とも言えます。そう、小企業から脱却する覚悟です。

 自社にとって重要なコンサルティングであれば、何はさておいても絶対に聞き逃すまいという姿勢になるはずです。そのためには事前に、部下に指示をしておくとか、権限を渡しておくとか…。要するに、仕事を自分の手から離しておくことが必要です。身軽にしておくことです。

 そういった姿を見て社員は「社長は何にもやらない」と言うでしょう。しかし、社長には社長にしかできない仕事があります。社長には、その仕事をやってほしいのです。

「それは理想論だ」と言う方がいます。理想論、結構でしょう。しかし、その考えがなければ、いつまでたってもプレーイングマネージャーです。会社は小さいままです。

「小さい会社で何が悪い!」と言う方がいます。そうです、その通りです。会社は大きければいいというものではありません。規模が大きいというのは、やれることが大きくなるだけのことです。

 当社だって小さな会社です。しかし、大企業や中堅企業相手にセミナーやコンサルティングをしています。重要なのは、小さくても存在感があるかどうかです。生殺与奪権を持っているかどうかです。社長には、そのしくみを作ってほしいのです。

 一方、規模を大きくしたいと願っている経営者の方もいます。そのような方は是非、仕事の手離れをよくしてください。「俺がいなきゃ現場は回らん」などと言っていてはだめです。そんなの言い訳です。

 今までにやったことがないことをコンサルティングで要求すると、必ず言い訳します。「そんなことは分かっているけど、現実的にはできないよ。そんな人材もいないし」。

 行動は思考に支配されています。一般的に、人は考えていないことは行動に移しません(衝動的に…ということはありますが)。したがって、行動を変えるには思考(考え方)を変える必要があります。

 できないと思い込んでいるうちは行動に移しませんし、仮に行動しても、疑心暗鬼の状態では達成などできません。

 難しいことは百も承知です。それでもなおチャレンジしてください。簡単にできることなら、社長がチャレンジする値打ちはないでしょ!

 社長は現場の仕事から手を放し、社長にしかできない仕事、経営をしてください。会社を大きくしたいなら、なおさらです。

 経営者の仕事とは、会社の資本(自己資本、他人資本)を使って資産を大きくする活動です。これを経営(ビジネス)と言います。

 コンサルティングは営業戦略を学び、実践をする場です。これは社長の仕事です。できない理由を言うのではなく、どうやったらできるかを考えてください。当社は、そのお手伝いをします。

 

 


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