第327話 整理整頓ができない本当の理由

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「整理整頓するように言ったじゃないか!」
コンサルティングでお邪魔した会社の社長が、部下の社員に怒鳴っていました。どうやらこの社員は、普段から整理整頓ができていないようです。いえ、この社員だけでなく、多くの社員ができていないようです。
整理整頓は5Sと呼ばれます。整理・整頓・清掃・清潔・躾の五つです。こんなの常識ですね。
特に製造業や建設業など、危険を伴う職場では5Sが徹底されています。できていない場合、それが原因で死亡するリスクもあります。5S教育は重要です。
冒頭の会社は卸売業で、特別に危険な作業をしているわけではありません。それでも5Sができていなければ見た目も悪いし、非効率な作業になってしまいます。それで社長は常々「整理整頓せよ」と言っています。
ところが、一向に改善の兆しが見えません。会議や社内研修で5Sの勉強をしているにもかかわらず、この有様です。社長は怒っています。
「先生、お恥ずかしいところをお見せしました」
「いつも言ってるんですが、なかなかできなくて…」
5Sができない理由は様々でしょうが、決定的な要因は「特に必要としていない」と「意味が分かっていない」。この二つです。
「特に必要としていない」は、5S自体が生死にかかわることはない、ということです。先ほどお話ししたように、製造業や建設業などの現場でなければ、5Sができていないからといって直接的に危険が伴うものではありません。したがって、教育がおろそかになっていると言ってもいいでしょう。
「意味が分かっていない」とは、文字通り意味を知らないからできない、ということになります。
当社は5Sの専門家ではありませんが、サラリーマン時代に社内で研修講師をやっていました。前職の会社も5Sが絶対に必要という会社ではありませんでしたが、当然の教育として会社から研修講師を拝命していました。
その中で5Sクイズを出して、楽しみながら理解を深めようと意識していました。クイズは2問です。内容は、5Sをどれだけ正確に理解しているか、です。
累計数百人の受講生にクイズを出しました。その中で2問とも正解した受講生は…たった一人です。1問だけ正解した受講生は3割以下です。難しいクイズではありません。正確に理解しているかどうかだけです。
と、いうことは、多くの人は5Sの意味を知らないのです。商品管理の専門職にいた人でさえ1問も正解できませんでした。
意味を知らないということでは、もう一つあります。頭で理解していても、実行できないことです。実行できなければ「わかった」とは言えません。そもそも、正確に頭で理解していないのですから、実行できるわけがありませんが…。
「5Sの意味はちゃんと教えているぞ」という方もいるでしょうが、意味だけ分かっても意味がないのです。実行できなければ。
そして、仮に実行したとしても、なぜできないと判断されるのか? 実は5Sの基準がバラバラなのです。
冒頭の会社でいえば、社長の基準と社員の基準が異なっていることが原因です。社員は整理整頓していると思っていても、社長はできていないと思っています。
基準が異なっているのですから、いくら社長が怒鳴ってもできるわけがありません。普通、こんなことは気が付くはずですが、冒頭のような会社は多くあります。
5Sの話をしてきましたが、頭で理解していても実行できないといったことは、どんな場面でもあります。
ずいぶん前の話ですが、セミナー参加者のある社長は「自分は有名なコンサルタントや経営塾に参加して勉強してきたから、そんなことは分かっている」と豪語していました。
しかし「うまくショールームを活用できていないので、セミナーに参加した」とも言っていました。要するに、いくら座学で勉強しても、それを実践できなければ机上の空論だということです。
どれだけ簡単な理屈でも、実際にやってみたら、なかなか難しいということは多くあります。例えば、社員や取引先に「笑顔で挨拶」できますか? 常に、ですよ。なかなか難しいのではないでしょうか。
笑顔で挨拶できれば、それが社員に連鎖し、社内は明るくなり、業績も改善するでしょう。難しいマーケティング理論を考えるより、よっぽど効果があります。
皆さん、いかがですか。経営計画、戦術・戦略、マーケティング…どれも大切です。しかし、ビジネスの基本として、もっと大切なものを忘れてはいませんか?
どんなに簡単なことでも、実践できなければ、それは机上の空論。頭で理解しているのと、実際にできることでは次元が違うのです。



