第313話 大手コンサルファームを使う時の注意点



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「先生、今度新しい事業を始めようと思って、もうすでに準備に入っています」

 こう話すのは、当社のクライアントで、建設会社を経営する社長です。話を聞くと、適当な中古住宅を見つけて、それをリフォームし、付加価値をつけた状態で販売するというもの。詳しくは聞いていませんが、政府が後押ししようとしている事業でしょう。

 この会社は住宅建築が主な事業で、それに伴いリフォームも得意としています。その点で自社の強みを横展開できるため、成功する確率は高いと言えます。しかし問題は、どのように適当な中古住宅を探し、誰がどのように販売の営業を展開するかということです。

「その点については、ご心配なく。実は、○○総研から販売マニュアルをもらうことになってます」

 この言葉を聞いたとき「こりゃあイカン。止めたほうがいい」と思い、必死に大手コンサルファームのやり方について説明しました。しかし、当人はもうヤル気になっていますし、事業はスタートしてしまっています。今更引き返すわけにはいきません。

「なんで、もっと早く知らせてくれなかったの?」という言葉を飲み込んで、「成功に向けて頑張ってください」という言葉を残して、当社のコンサルティングを満了しました。

 さて、話の本題は、なぜやめたほうがいいと思ったか、ということです。理由が三つあります。その理由について、お話しします。

 第一に、この会社のノウハウが流出する可能性があります。大手コンサルファームのコンサルタントはサラリーマンです。自分自身で住宅リフォームの営業をしたことも、ましてやリフォーム会社の経営をしたこともありません。

 それなのに、なぜ販売マニュアルを作れるのかと言えば、それまでに会社内に積みあがった知識、データ、理屈があるからです。それらを使って当該クライアントのマニュアルを作るのです。こうして行うコンサルティングを「ベンチマーク型コンサルティング」と言います。

 それらの知識、データ、理屈は、もとはどこから拾ってきたかと言えば、過去のクライアントです。クライアントを指導しながら、実は、クライアントのノウハウを盗んでいたのです。

 第二に、教えてくれるのは、知識、データ、理屈だということです。ノウハウとか知恵とか戦略とかではありません。上記の通り、マニュアルを提供してもらって、その通りにやれば必ずうまく行くというものです。なぜ、それでうまく行くのか? それはプチ成功事例の寄せ集めだからです。

 ところが、一般化されたマニュアル通りにやっても、うまく行く確率は低いです。マニュアルというのは作業の指示書みたいなもので、それを守っていればすべてうまく行くというものではありません。

 そもそもマニュアルで営業やビジネスができるなんて、考えなくても嘘っぱちだと分かるでしょう。ビジネスに必要なものは、マニュアルではなくノウハウです。ノウハウは自分自身が、チャレンジして失敗して~、を繰り返す中で身につくものです。もしくは、それが体系化されていれば買うこともできます(体系化が重要です。体系化されていないノウハウは単なる暗黙知です)。そうやって身に付けるものです。

 第三に、事業が失敗に終わったときは、お互いが言い訳することです。コンサルタント側は「マニュアル通りにやらなかったから、うまく行かなかったんです」と言います。クライアント側は「大手に依頼して、うまく行かなかったんだからしょうがない」と言います。「馬鹿じゃないの?」と言いたいところですが、お互いに納得しているのですから仕方ありません。

 以上が注意すべき点です。

 一方、ベンチマーク型コンサルティングにはメリットもあります。それは「型にはまったら売り上げの成長が速い」ということです。当然です。これまで積みあがったプチ成功事例をマニュアル化したものですから、その通りにやれば、一般的には売り上げは上がります。

 ところが、そう簡単に問屋が卸しません。なぜなら、企業経営者は自分のやりたいようにやって成功してきていますので、他人から押し付けられたマニュアルに従うことは、本能的にできないのです。納得感がないと言ってもいいでしょう。

 納得感のないビジネスなんて、面白くも何ともありません。逆に言えば、自分が納得したやり方であれば、たとえ失敗してもやり直すことができます。経営者にとって納得感は成功の基です。

 また、マニュアルで売り上げを上げても、それは単なる膨張です。膨張はいずれしぼむか、悪くすると破裂します。そうではなく、会社のフェーズを上げながら売り上げを上げる必要があります。要するに、一時的な売り上げ増よりも、安定した売り上げを上げるためのしくみを作るべきです。

 以上、三つの注意点とメリットをお話ししました。大手コンサルファームが提供するベンチマーク型コンサルティングと、我々のようなダイナミックコンサルタントが提供する体系化されたノウハウのコンサルティングでは、性質が全く異なっています。

 どちらが優れているのか、どちらを選択すべきかは、お客様しだいですが、大手コンサルファームを選択するならば、指摘した注意点には留意すべきです。

 

 


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