第292話 「お客様は神様」ではない⁉ お客様は選ぶべき



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「先生、お客様は選ぶべきですね。そうでないと、やることが増えちゃいます」

 これは機械部品製造企業で、B2Bビジネスを展開する、当社クライアントの社長の言葉です。

 最近は「カスハラ」を警戒する企業が多いようです。客という立場を利用して、相手を脅すような言動をする人が増えているし、そういった身勝手な行動を許さないといった風潮があります。

 その昔に「お客様は神様です」という言葉がありましたが、今は必ずしもそうでもないということです。カスハラのような言動は許してはいけないのですが、そうならないような対策も必要です。例えば、お客様を選ぶとか…。

 そうは言っても、大切なお客様なので少しは我慢しなければ…と思っている方は、ビジネスの考え方を変えたほうがいいかもしれません。なぜならば、既存のビジネスと顧客にしがみついていて、革新ができていないからです。

 それではどのように革新すればいいのか、ちょっと考えてみましょう。当社は製品開発の専門コンサルタントではありませんので、この辺りの言及は避け、営業の観点から申し上げます。

 そもそも売上・利益が伸びない原因は、既存顧客に固執しているからです。ロングセラーとか固定客といえば聞こえはいいですが、実際には現状に甘んじているだけのことです。

 最近はインフレで物価高になっているし、それを補うように賃金も増えています。日本のGDPも年率2%弱で伸びていますので、それなりに経済発展しているということです。

 それに対し、自社の売り上げや利益が伸びていないとすれば、それは衰退を意味します。世の中から取り残されていると言ってもいいでしょう。

 じゃあと言って、お客様をのべつ幕なし獲得すればいいかと言うと、そうではありません。冒頭の社長の言葉のように、やることが増えてしまうからです。大切なお客様だからと言って、わがままを許していたり、法外な要求を呑んでいたりしては、自社のビジネスの基本が崩れてしまいます。

 そうではなく、自分でも欲しいと思うような製品を作り、それを欲しいと思う人にアプローチし、ショールームで説明・アドバイスすることが重要です。それによって、自社に都合の良いお客様を見つけることです。

「そんなこと分かってるよ。でも、それができないから悩んでいるんじゃないか!」

 そういった声が聞こえてきそうですが、あなたは本気になってやろうとしていますか?

 当社の経験で言えば、このようなボヤキを発する方は、本気でやろうとしていない経営者の方です。なぜ本気になっていないのか? それは「怖い」からです。お客様を失うのが怖いのです。そして、それを隠そうとしているのです。

 もちろん、お客様を失うのは怖いでしょうし、多くのお客様が離反してしまえば会社自体が危うくなります。しかし、何も行動を起こさず、現状に甘んじていたとしても、早かれ遅かれ同じことが起きるでしょう。

 そうではなく、勇気を出して行動すべきです。その根拠となるのが、良い製品・サービスと、それを販売する「しくみ」です。

 しくみと言うと難しく感じるかもしれませんが、要するに、見込み客開拓から契約までの「導線」を作ることです。

 導線づくりは簡単にはできません。自社の強みを発見することから始まり、それをキラーコンテンツに変換し、ショールーム・展示会に見込み客を集客します。ショールーム・展示会では三種の仕掛けをしかけ、アフター営業で契約を確実なものにします。

 コラムで導線設計についてダラダラと書くわけにはいきませんので、非常に簡潔に書くとこんな感じです。

 ここで一つ、ある商社が営業改革を断行した例をお話ししましょう。

 この商社は、大口のお客様を何社か抱えていました。その中に、優良企業ではありましたが、わがまま放題の社長が何人かいました。資材納入に関して無理難題を押し付け、購買価格についても法外な安値を要求していました。

 そしてビジネス上の要求ならいざ知らず、なんと営業時間外の付き合いも要求していたのです。「営業時間外」とは、要するに「飲みにつれていけ、代金は払っておけ」というものです。

「ほんのたまに」なら、付き合いの上で仕方ないことでしょうが、「毎週、必ず」ですから、接待する方はたまったものではありません。しかも「高い」ところを選んで、ですから。

 これを良しとしない商社の社長は、接待禁止令を出しました。ところが社内から反対意見が出たのです。接待をやめて売り上げが下がったとか、取引が停止になったとか、そんな事が起きたらどうするんだ、というもの。

 これに対し社長は「そんなことはない!」と言って、この計画を断行しました。そして、うまく行ったのです。取引はなくなることはなく、却って良好な取引関係に育ったのです。なぜならば、この商社は非常に強いキラーコンテンツを持っており、顧客はこのキラーコンテンツを提供し続けてもらいたかったからです。

 貴社も、自社に都合の良いお客様に育ててみませんか? もしくは、自社に都合の良いお客様を見つけてみませんか? お客様の全部が神様ではないのです。

 


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