第289話 あなたが買いたいのは家ですか、住まいですか?



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「細井さん、日本で住まいを造っている工務店は、ほとんどないと思いますよ」

 先日、仲の良いコンサル仲間と話していた時に出てきた言葉です。この方は30年に及ぶ工務店営業で、数百棟の住宅を販売してきた筋金入りの営業マンです。

 販売をしてきたといっても、注文住宅をただ単に販売しただけではありません。土地の見立てから住まい方の提案まで、季節要因や土地周辺の環境、見込み客の事情を考慮に入れて、本当に見込み客の満足感を満たすような住まいを販売してきました。

 そして、そのノウハウを世の中の工務店に広めるべく、コンサルタントとして独立・起業したという経歴の持ち主です。

 もちろん、家(商品)自体が素晴らしいということや、家を含めた住まいの環境づくりというコンセプトがあってのことです。しかし、この方がトップセールスとして長年走り続けてこられたのは、ご本人の信用力と販売能力も大きく影響していることは間違いないところです。

 さて「家」と「住まい」の違いですが、「家」は単なる住居です。そこには周りの環境というものが考慮されていません。極端に言えば、砂漠に建てようが森の中に建てようが、家は家です。

「住まい」というのは、砂漠とか森の中とか、その環境に適合するように家を建てるということです。決して機能性とか品質とか材料とか、耐震性とか機密性とか遮音性とか、そういったものだけに着目した家ではないということです。

 残念ながら、ほとんどの日本の住宅は「シェルター」であり、シェルターの価格と機能性競争に陥っていると言っても過言ではありません。そういった意味で、冒頭の言葉はとても納得のいくものだといえます。

 翻ってコンサルティングです。本来コンサルティングとは、クライアントの環境を考慮して行わなければなりません。企業規模、資金力、商品、商圏、顧客層など、そういった事情を勘案してコンサルティングや提案をしなければなりません。そして最も大切な、社長の考え方を尊重しなければなりません。前段の例でいえば「住まい」作りです。

 社長の考え方、やり方を考慮に入れない、通り一遍のコンサルティングでは必ず失敗します。なぜなら「納得感」がないからです。

 ビジネスのやり方は千差万別、いろいろなやり方があり、正解はありません。理論的に間違っていても、社長の経験と勘で成功した例はいくらでもあります。自分が納得してビジネスや事業を行えるかがカギなのです。

 一方、大手コンサルファームが行うコンサルティングは、先ほどの例でいえば「家」の販売です。周りの環境を考慮せず、価格と機能性のみで家を売るようなものです。

 その手法は、ベンチマーク型コンサルティングといって、社内に積み重ねられたベストプラクティスを引っ張り出してきて「あなたはこのやり方がいいですよ」「こうすればきっと成功しますよ」と、理論・理屈を押し付けるものです。

 それが全く悪いとまでは言いませんが、クライアントからすれば納得感がありません。仮にそれで成功したとしても、納得感がありませんので満足感がありません。ビジネスの面白さもありません。

 中小企業の社長から納得感や満足感や面白さを取ってしまったら、何も残りません。もちろん、売上とかお金は残るかもしれませんが、それこそビジネスの楽しさは味わえないでしょう。ビジネスは「面白さ」「楽しさ」「ワクワク感」が原動力なのです。

 今どき、お金さえあれば耐震性も気密性もしっかりした家が買えるでしょう。しかし、住まい手の事情や土地の環境を考慮して家を建てることは、至難の業と言えます。なぜならば、一般的にそのノウハウは出回っていないからです。

 そのようなノウハウは、長い間住まいを販売してきてようやく身に付けることができるものです。一長一短に、机上の勉強で身につくものではありません。

 そういった意味でも、本物のコンサルティングは大手コンサルファームのサラリーマンコンサルタントができるようなものではないということです。経営の経験のないサラリーマンではできないのです。

 本物のコンサルティングとは、クライアントの社長に寄り添い、会社の事情や社長の考え方を考慮したうえで、戦略を提案できることを言います。

 それでなければ、大手コンサルファームが行うベンチマーク型のコンサルティング(家の販売)になってしまいます。そのようなコンサルティングでは納得感(満足感)は得られません。

 あなただったら家を買いますか、それとも住まいを買いますか?

 


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