第278話 ビジネスがうまく行かない人の典型的な欠陥



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 何をやってもうまく行かない人というのはどこにでもいて、そのような人たちに共通する欠陥があります。どんな欠陥かというと、他人との約束を守らない、世の中のルールを守らないということです。

 子供の約束事ならいざ知らず、大人の、しかもビジネスをやっている経営者が約束を守らない、ルールを守らないというのは致命的です。

 経営者であれば当然のことですが、サラリーマンだとしても、取引先との約束事は守らなければ取引がなくなってしまう可能性があります。

「なんでそんな当たり前のことを…」と言われるかもしれませんが、最近、とんでもない事例が発生したため忘備録を兼ねて書いています。

 約束事やルールは、書面だけではなく口約束であっても守らなければなりません。いや、口約束だからこそ守らなければならないのです。口約束であっても、きちんと約束を守る姿勢が信用を得るのです。

 電話をしても出ない。留守電を入れてもかかってこない。メールを送っても返信がない。いついつまでに返事をといっても返事をしてこない。仕事の予定を当日の朝になってキャンセルする。期日までに代金を振り込まない。虚偽と分かっていながら申告をする…。こんなことは珍しくありません。日常茶飯事です。

 ビジネスは一人ではできません。お客様と取引先があって成立します。したがって自分さえよければ…という考えであれば、そもそもビジネスは成立しません。

 自分も儲けたいけど、相手も儲けたい。当然の話です。それが分からないようであれば、経営者をやめたほうがいいですね。自分はいいかもしれませんが、家族や友人、取引先、それに何より社員が迷惑です。そんな泥船に乗っている社員が、かわいそうでなりません。

「先生、不正受給がバレそうになってます。どうしたらいいでしょう?」

 あるクライアントからの突然の相談です。

「不正受給って…何やったんですか?」

 ここでは詳しくは書けませんが、ある補助金の申請で、虚偽だと分かっていながら申告して補助金を受け取ったというのです。

 世の中にはそういう経営者が多くいるようで、関係省庁が調査に乗り出しています。この会社も調査されたら、そこでばれる可能性が高いというお粗末な話。

「馬鹿じゃないの!」という言葉を飲み込みつつ、今後の対応策を考えました。

 まず状況をお聞きしました。社長に不正受給の認識がはっきりあるということ。地元では名の知れた会社であるために、社名が公表されるとビジネスに悪影響があること。不正受給した金額を返さなければならないが、今、その資金がないこと。資金は身内から借りることが出来そうなこと。

 関係省庁の調査前に不正受給の自己申告をすれば、社名を公表されずに済む可能性があるため、正直に「不正受給です」と申告することになりました。そして、資金は身内から借りることに。

 肝心のコンサルティングは、ショールーム営業コンサルティングの中で、事業立て直しのコンテンツを入れて対応することになりました。

 サラリーマン時代には、ショールーム活用と同様、事業の立て直しを多く主導してきました。したがって、どこがボトルネックで、どのように直せば、その後どう変わっていくのか、よく理解しているつもりです。

 単純なことですが、ルールがない、ルールがあっても守らない、今何をすべきか社員が分かっていない。こんなことが、事業がうまく行かない原因です。

 社長が社会のルールを守らないのですから、事業が上手くい行かないのは当たり前です。不正受給と認識しながら「申請してみたら通ったから…」では言い訳にもなりません。

 ビジネスは基本的に、お客様と取引先があって成立します。お客様はより良い製品やサービスを受け取る代わりに、その代金を支払います。取引先は同じように、良い製品やサービスを提供して儲けます。それによって世間がうまく回るのです。これを「三方よし」と言います。

 不正受給をして「バレなければ儲け」などと思っているようでは、経営者として成功しません。人間、お金が無くなると、よからぬことを考えるようになります。「貧すれば鈍する」というやつです。

 そうならないためにも、まともなビジネスで儲けることです。そのための努力をすることです。そうすれば、ますます儲かるようになります。

 あなたは「三方よし」で儲けていますか? まさかルールを破って儲けていませんよね?

 


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