第265話 見込み客が契約のハンコを押さない本当の理由
●最新セミナー情報●
「たった2坪でもできる、儲かる商談型ショールーム戦略」セミナー 好評受付中です。
新しいセミナーのカタチ「オンデマンドセミナー」は、いつでもどこでも参加できて好評です。
詳しくはセミナー情報をご覧ください。
●書籍のご案内●
「商流をつくって半自動的に儲かり続ける 業種×業態別 ショールーム営業戦略」
「中小企業のための2坪からでもできる『商談型ショールーム』で爆発的に営業力を上げる法」
好評発売中です。詳しくは書籍のご案内をご覧ください。
「先生、セミナーに参加してみて、見込み客が契約のハンコを押さない本当の理由が分かりました」
こう話すのは、マンションのリフォームを専門とする建設業の社長です。
この社長は、リフォームのためのモデルルームをお持ちです。顧客は、新築のマンションを買う資金的な余裕がないがリノベーション物件なら買えるという、比較的若いサラリーマンの人たちです。
そのような人たちを、新聞折り込みチラシやDMで集客し契約を取っているのですが、この社長の悩みは契約率が低いということです。
社長自身が接客営業すれば高確率で契約できるのですが、ほかの営業社員が担当すると契約率が低くなってしまい、全体の契約率も低いという状況です。これをどのように改善するのかが、この会社の喫緊の課題です。
社員が接客営業すると、なぜ契約率が低いのか? 社員の接客営業に問題があるのは間違いありませんが、どこに問題があり、どうすれば改善できるかが分かりません。
これが分かれば苦労はないのですが、分からないものは分からないのです。「なんか違うんだよなあ~」ということくらいしか分かりません。
当社はそのようなケースをたくさん見てきていますので、冷静かつ論理的に説明することができます。それをセミナーで説明しヒントを出すと、ほとんどの方が「なるほど!」と言って納得されます。
見込み客が契約のハンコを押さないのは、見込み客が「理解」と「納得」をしていないからです。
しかし理解や納得をしていないからと言って、一生懸命説明するだけではダメです。なぜならば、それは「説得」だからです。説得では、一生懸命説明すればするほど見込み客は引いてしまいます。
説得はこちら側の理屈であり、見込み客が「こうがいいんだよなあ~」というのは見込み客の欲求です。言い替えれば、見込み客の欲求が分からなければ「ズレ」が生じてしまい、契約には至らないのは当たり前です。
例えば、リノベーション物件で自社はリーズナブルな見積もりだと考えていても、見込み客は他社から合い見積もりをとっているため「高い」と感じています。
自社は「それじゃあ、ここの材質を落としましょう」とか「簡素化しましょう」と提案しますが、それでは見込み客は理解も納得もしません。品質を落として安くするのであれば、意味がないからです。ところが社長が接客営業すると簡単?に契約できます。しかも見積もり通りに。
なぜそうなるかというと、それは見込み客がどんな知識を持っていて、何を望んでいるかを接客営業の中で察知しているからです。
見込み客は「安くしてくれ」というばかりで、リフォームの内容を詳細に他社と比べているわけではありません。材質も、工法も、製品のグレードも…。社長は見込み客の欲求を見極めたうえで、そこをきちんと説明し、理解・納得してもらう接客営業をしているから高確率で契約できるのです。
「契約してくれないのは、お客様が分かってくれないからだ!」と言ってはいけません。そうではなくて、社員の説明が不十分なのです。
「不十分なら、もっと一生懸命に詳しく説明すれば良い」か、というと、そうではありません。先ほど申し上げたように、こちらが一生懸命になればなるほど、見込み客は引いてしまいます。説得だからです。
見込み客は何が分かっていないのか、何をしてほしいのかを察知する必要があります。その上で、自社の提案がもたらすメリットは何か、価値は何かを端的に説明します。なぜこの工法なのか、なぜこの部材なのか、なぜこの価格なのか…。
特に建設業は、営業も工務も個人のスキルが契約率や顧客満足につながりやすい業種です。要するに、標準化しにくいし、バラツキをなくすことが難しいということです。
しかし、そうは言っても解決策はあります。それは商談の「必勝パターン」を作り上げることです。また、見込み客開拓から契約までの「導線」を作ることです。そして、それを繰り返し実行することです。これにより導線は太く強くなっていきます。
例えば冒頭の会社であれば、社長の接客営業を動画に収録し、それを営業社員の訓練の教材とする必勝パターンづくりの具体策があります。
見込み客には、ある一定の行動パターンがあります。初めの挨拶の時から、一通り説明が終わるころまでの、態度や発言内容です。そのパターンを類型にまとめ、この時に見込み客は何を考え、何を知りたがっているのか、そしてその対処方法を解説します。
ひとたび必勝パターンを作って、それを横展開できれば、営業スキルの低い新入社員や、職人上がりのような社員でも売れるようになります。これを「しくみ」といいます。
見込み客が契約のハンコを押さないのは、見込み客が理解・納得していないからです。それは、あなたの説明を「理解」していないからです。「説得」になっているからです。
当社のセミナーにお越しになる社長で、この理屈を「理解」している方は、ほとんどいません。しかし、セミナーで詳しくお話しすると、皆さん「納得」されます。目からうろこが落ちたと言って…。
あなたの会社には、見込み客開拓から契約までの導線はありますか? 必勝パターンを作り上げていますか?