第256話 2代目後継者が犯す根本的な間違いとは何か



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「先生、今、無理に現状を変えなくてもいいと思うんですけど」

こう話すのは、第1回目のコンサルティングを終えた、卸売業の2代目後継者です。

 この会社は卸売業で、B2Bビジネスを展開していますので「ハコ」「モノ」のショールームをお持ちではありません。その代わりと言っては変ですが、頻繁に展示会に出展しています。

 例えば、東京ビッグサイトのような大規模合同展示会に出展したり、地域で開催される小さなイベントに出展したりするやり方です。

 展示会はショールームの形態の一種です。本物の見込み客を集客し、展示会で商談をする。そこで契約を目指します。

 展示会は多くの来場者に製品を見てもらい、体感してもらい、知ってもらう場所だという認識があります。それは全く間違いではありませんが、正しくはありません。商談をし、契約をする場所だということを忘れてはなりません。

 さて、この2代目後継者が何を間違えているのか?

 一つは、まだ経営者としての意識がほとんどないということです。初代創業社長は多くの困難を乗り越え、現在のビジネスを確立させました。それは組織の力というよりも、社長個人の力だったり魅力だったりします。したがって、この会社の強みは「社長の存在」と言えます。

 しかし、いつまでも社長が社長でいられるわけではありません。近い将来、必ず世代交代がやってきます。そのときに備えて意識を高めておくとか、戦略を練っておくとかしなければなりません。要するに、次の一手を打っておくことです。

 社長は、しくみとか組織を使って会社を発展させたわけではありません。良くも悪くも、社長個人の能力で会社を発展させてきました。したがって、そのノウハウは社長の頭の中にあります。

 2代目後継者は、その頭の中にあるノウハウを、今のうちに引き出しておかなければなりません。そして自分自身の経営の考え方、哲学、戦略を構築しておくべきです。そして2~3年後の自分の経営をイメージしておくことが必要です。

「社長って、まだまだ元気ですよねえ~」などと言っている場合ではありません。社長は「2年後くらいに勇退しようと思っている」と言っているのですから。

 ところが、この会社に限ったことではありませんが、2代目後継者にありがちなのが、肩書は「後継者」ながら、実態は「社員」のままという事実です。対外的には後継者としてふるまっていながら、実際の仕事は一般社員レベルでしかありません。当然、経営者としての意識もありません。

 これは社長が甘やかしているとも言えます。「息子には俺と同じような苦労はさせたくない」といった親心もあるでしょう。しかし、これが大きな間違いです。苦労せずに育った2代目後継者が、弱肉強食のビジネスの世界を乗り切っていけるでしょうか?

 二つ目の間違いは、展示会に対する考え方です。これは一つ目の間違いに通じることですが「現状を変えたくない」「面倒くさいことはしたくない」といった意識があることです。

 東京ビッグサイトのような大規模展示会場に出展しようとすれば、安い出展料というわけにはいきません。展示会場の知名度、立地、ブランド力があり、それによる集客力があるからです。

 しかし、この集客力が曲者です。集客してくれるからといって、東京ビッグサイト任せにしていると本物の見込み客は発掘できませんし、商談も契約もできません。

 なぜならば、東京ビッグサイトは展示会テーマに沿った公約数で集客するからです。決してあなたの会社のために集客しているわけではないのです。

 それを承知で無駄な出展を続けているのですから、どうかしているとしか言いようがありません。社長がやってきたことだから、社長に行って来いと言われたから、社長が…。

 実際、出展している会社の担当者に出展理由を尋ねてみると、上記のような答えが返ってきます。ということは、この会社だけではなく、多くの出展者が無駄な出展をしているということです。

 2代目後継者は、創業社長のように、力技で経営することはできません。それだけの経験もノウハウも、力もありません。それではどうするか? しくみで経営をすることです。そのための戦略を練ることです。

 しくみとか戦略は「今」のものではありません。2年後、3年後のためのものです。ここを間違えてはいけません。立派な2代目社長として事業継承するために、今から手を売っておくべきです。それが面倒だというのなら、社長になる資格はありません。

 


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