第243話 アンケートが物語る…コンサルタント活用が不安な理由



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 研修会とか講演会に参加すると、たいていはアンケートにご協力願いますと言われます。当然です。参加者がどのような属性か知りたいですし、アンケート結果によって内容を変えていきたいからです。

 当社が開催するセミナーにおいても、参加された方々にアンケートに答えていただいています。ただ一般的な研修や講演とは、かなり内容が異なっています。

 アンケートで知りたいのは、将来当社のお客様になっていただける方が、どのような顧客像であるか、ということです。「顧客層」ではありません。「顧客像」です。

 顧客層というと、例えば「高齢者」とか「20代の若者」とか、「富裕層」とか「庶民層」とか、です。これはある属性で分類しています。

 当社では、そのような分類をしません。「○○を望んでいる人」とか「××に悩んでいて、それを解決したい人」というような分け方をします。年齢とか生活レベルで分けることはしません。

 さて、そのアンケートにこんな設問があります。

「コンサルタント活用で何か不安な点はありますか?」

 これはコンサルティング受注において、とても重要な設問です。見込み客の不安を知り、それを取り除くことが受注につながるからです。

 あるセミナーでの出来事。アンケートを書いていただいている最中に、参加者のお一人がこんなことをお話になりました。「ウチは以前、コンサルタントで失敗したことがあるんですよ!」

 詳しく話を聞いてみると、契約のときは社長が出てきたものの、実際のコンサルティングには若いサラリーマンコンサルタントがやってきて、偉そうに理屈ばかり述べるとのこと。

「こりゃあダメだ」ということで、出て行ってもらうのに高い違約金を支払い、それで結局会社には何も残らなかったことがある。そういったことが、再び起きるのではないかという不安です。その大失敗の経験から来る不安を、しきりに強調されていました。

 この話を聞いていた別の参加者の方は「うちも似たような経験がありますよ」「○○総研(大手コンサルファームの会社名)なんかは、データを示して理論を説明して、終わったら社員と一緒に飲んで、それで終わりですから」。

 大手コンサルファームが全てダメだというわけではありませんが、実際にコンサルティングをするのは「社員」です。要するにサラリーマンです。

 サラリーマンが、中小企業のオーナー社長を指導するなんてことが、本当にできるのかということです。会社を経営したことがない人が経営の指導をするなんて、普通はあり得ません。経営は理論や理屈ではないからです。

 百戦錬磨の経営者なら、セミナーに参加して話を聞けば、その人が役に立つコンサルタントかどうか一発で見抜くでしょう。理論とか理屈でセミナーやコンサルティングができるなどと考えない方がいいです。そんなに世の中は甘くありません。

 その点、当社は小さな会社ですが、オーナー経営者である自分自身がコンサルティングを行います。セミナーにしてもそうです。アシスタントとか、ほかの人が行うことは決してありません。経営者の気持ちが分かるのは、経営者しかいないからです。

 経営者であれば、本来なら人(コンサルタント)を雇って、自身は経営に専念しなければなりません。それが会社を発展させ、企業規模を大きくする方法だからです。

 しかし、そうすると自身の考え方や方針とはズレが生じます。なぜコンサルティングをやっているかという、根本的な理念も希薄になっていきます。

 したがって、当社では自身がプレイングマネージャーです。そうです、労働集約型ビジネスをやっています。そういう意味では会社は大きくなりませんし、稼ぐ力も弱いと思っています。

 ただ「もったいないショールームをなくしたい」。この思いでコンサルティングを行っていて、それは自分自身にしかできないことですし、そのため会社は小さいままでいいと思っています。

 当社の想いがお客様に届き、不安を解消できるなら、それが一番いい方法だと考えています。

 


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