第190話 多くの経営者が知らない正しい投資のやり方
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皆さんは投資をしていますか? こうお聞きすると「ええ、やっていますよ。私は株式投資で、女房はFXなんです」などとお答えになる方がいますが、そうではありません。株や債券や通貨も投資対象ですが、そういう意味ではなく、会社を成長させるための投資です。
では会社を成長させる投資とは、いったいなんでしょう? 生産設備に投資をする。人材教育に投資をする。会社のコンピューターシステムを充実させるために投資をする。そうですね、それらは立派な投資です。
しかし、ここでは「ノウハウに投資をする」ことについて考えてみましょう。
「ノウハウに投資って、目に見えないものに投資をするなんてちょっと怖くない?」。そう思われても仕方ないでしょう。しかし本当の意味での投資とは、ノウハウに投資することを言います。それはなぜか?
生産設備も人材教育もコンピューターシステムも、お金があれば買うことは可能です。機械や人材、コンピューターを使えば製品を作ることはできます。そこにお金をかけて、よりいいモノを作ることもできます。
しかしその前に、それらを使いこなして収益を上げるための「しくみ」が必要です。機械や人材やコンピューターを買うことは、いわば戦術です。戦術で売上・利益が上がるわけではありません。
もちろん、それらがなくていいと言っているのではありません。ただ、それよりももっと大事な投資対象があると言っているのです。それが「ノウハウ」です。このノウハウを導入して、しくみを作ることを本当の投資だと言っているのです。
会社が儲かるためには、戦略7割、戦術3割です。戦略の方が割合は大きということですね。
ある製造業の社長は、こんなことを言っていました。
「いや~先生、ノウハウを買ってよかったですよ」
「自分たちだけで経験を積み重ねてノウハウを得ようとしたら、えらい時間がかかっていました」
「それに、それで本当にノウハウを得られたかというと分かりませんもんね」
そうなんです。ノウハウは買ったほうが安いんです。
ここを理解している経営者の方は、案外少ないです。なぜかと言うと、ノウハウを買うのは「投資」ではなく、「費用」だと考える方が多いからです。
なぜ費用と考えるのかというと、やはり目に見えないからでしょう。費用と考えた時点で、「削減」の文字が目の前に浮かびます。そうするとどうしてもケチりだします。そしてせっかくの投資の機会を失うのです。
一方、正しい投資をする社長は、ここを理解しています。「投資したのだから回収しなければ」と。投資した以上のお金を儲けようとするわけですね。だから儲かるのです。
皆さんは何に投資をしていますか? 正しい投資の方法を知っている経営者は、速く力強く成長します。