第137話 その一歩を踏み出せない経営者たち
当社には様々な業種・業界の経営者の方がご相談にお越しになります。製造業、卸売業、小売業、建設業、サービス業などです。そしてその中には、コンサルティングを受ける目的をもってお越しになる方がいる一方、受けるか受けないか迷っている方もいます。
コンサルティングを受ける目的を持っている方は、個別相談の最中にでもコンサルティングの申込書を出される方がいます。もしくは、帰社後すぐに当社のウエブサイトから申し込みをされます。要は、個別相談にはコンサルティングの申し込みのためにお越しになっているということです。
ところが迷っている方は、当社がどれだけ丁寧に解決への道筋を提案しても、また、コンサルティングの必要性を説いても踏ん切りがつかないようです。「また連絡する」と言って、それっきりになるケースもしばしばです。
当社とすればコンサルティングを無理にお勧めすることはありませんが、先方から説明を受けて悩みや願望を聞いてみた結果、どう考えてみても自社だけでは解決できないというケースが多いのです。
当然です。解決できればとうの昔に解決できていますし、当社に個別相談にお越しになることはありません。
「社長!自分たちだけで解決なんてできないですよ」
「皆さんそうやって迷って迷った挙句何もできずに、結局当社に助けを求めてきているんですよ」
「早く解決したほうがいいですよ」
迷っていらっしゃる方には、このように申し上げています。決して契約を取りたいとかということではありません。できないものはできないから申し上げているのです。
それではなぜ自社だけでは解決できないのでしょう。それは、会社というところは社員も役員も同じ方向を見て仕事をしていて、視点がほとんど同じだからです。視点が同じということは考え方も同じで、発想も同じだということです。
例えば、SWOT分析を何人かにやってもらい、その結果を分析してみると、ほとんど同じ傾向のSWOTになってしまいます。また、時間をおいて再度やってみても、結局、同じ傾向は変わりません。
ということは、同じ視点で同じ思考を持つ人たちが集まった社内では、解決の糸口さえつかめないということです。たまに違った視点、思考を持つ人物が現れても、時間が経つうちに同質化してしまい、社内改革という意味では「役に立たない人物」になってしまいます。
ここが会社という組織の難しいところで、会社全体が同じ方向を向いていなければ力が分散してしまうし、同じ方向を向きすぎていて、人と異なった視点や思考の人物が現れると異端児として見てしまうという問題が発生します。
普通、会社にはこういったことがあるため、外部のコンサルタントに問題解決、課題の取り組みのお手伝いをお願いするということになります。
コンサルティングを受けるということは料金が発生しますし、地方では「あそこの会社はコンサルタントを入れている」といったネガティブな噂をされるケースがあります。
しかし料金は、自社で解決しようとする場合に比べて本当に少ない金額で済みますし、何より早く解決できます。場合によっては、当社では半年余りで結果が出始めたというケースもあります。
また、コンサルタントを入れているというネガティブな噂は放っておけばいいです。ビジネスは結果が物を言う世界です。結果を出せばいいのです。そのような噂をする会社は、1~2年後にはやっかみに変わるでしょう。
再度申し上げますが、個別相談にお越しになってもコンサルティングを無理にお勧めすることはありません。その辺はご自分でよくお考えになってください。ただし、一言だけ付け加えます。
「ぐずぐずしないで早く解決したほうが安心できますよ!」