第63話 リフォーム専門店VS兼業店

 世の中に住宅リフォームを行っている会社は星の数ほどあります。気にしていなければ気が付かないでしょうが、自分が自宅をリフォームするつもりで街の中を見渡してみると、こんなに多くのリフォーム店があったのか!ということが分かることでしょう。

 リフォーム店が多いということはそれだけ需要があるということで、このコロナ禍でも業績を伸ばしている業種の一つです。外出が制限され家の中にいることが多くなり、今まで気づかなかった、家の中の痛んでいるところが気になり始めた結果だと言えます。レジャーにお金を使わなくなったせいもあります。

 そのリフォーム店ですが、リフォームを専門に商いしている会社と、複数の事業を展開していてその中にリフォーム事業がある会社とに分けられます。リフォーム専門店はリフォーム工事を受注しなければ基本的には生きていくことができないわけですから、お金をかけて自社の広告・宣伝を出します。主に新聞折込という手段になりがちですが、資本が大きな会社はテレビCMという手段もあります。そしてショールームを用意して、トイレやキッチンなどの水回り製品、ドアやサッシなどの建材を展示することで顧客のイメージを膨らませることを行っています。

 一方、兼業としてリフォーム工事を行っている会社は事業が複数あり、リフォーム工事が不振でも会社全体としては売上・利益が出ていれば良しとしてしまうこともあります。そういった生ぬるさを解消するためにリフォーム会社を別会社として自立させている会社もあります(したがってリフォーム専門店となります)。リフォーム兼業店であってもショールームを持っている会社はあります。水回り製品やインテリアなどを展示即売(小売り)していることもあります。

 しかし、兼業店ではリフォーム以外の事業が主な事業になっていることが多く、営業力も訴求力もないため、たとえショールームを持っていても使いこなしている会社は稀です。ほとんどないと言っていいでしょう。他事業からのつながりでリフォーム工事を受注するケースが少なくなく、それに頼ってしまえば永遠に営業力が付かないといったことになりかねません。

 それではリフォーム専門店がショールームを使いこなしているかといえばそうでもありません。専門店ですから当然、ショールームを持つ会社は多いのですが、持っているだけ展示してあるだけで、活用しているとはとても言えない会社が多いのです。顧客が店内に入っても展示品を見るためではなく、工程の打ち合わせや費用の見積もり、図面の確認が主な目的です。店内を見渡せばいろいろな製品が展示してありますので、間が空いた時間に眺める程度。とても機能や使い勝手を試してみるとまでいきません。

 リフォーム専門店も兼業店もショールームをうまく使っているとは言えない状況の中で、それならショールームなんか持っていなくてもいいんじゃないかという声が聞こえてきそうです。そうです!その通りです。中途半端なショールームなら無いほうが、店舗のスペース効率が向上し利益の貢献にもなるはずなのですが、それができません。

 なぜなのか?ショールームは持つ側にとってみれば憧れであり、無くしてしまった時の売り上げ減や顧客の反応が怖いからです。そのくせ「詳しく見たり聞いたりしたければ、近くのメーカーのショールームをご案内します」などと勧めます。それほどショールームを使いこなすというのは難しいということです。

 この原因は専門店の場合、新聞折り込みなどの広告での集客が主になっており、折り込みチラシのためにはショールームがあったほうが都合がいいだろう、受注しやすいだろうといった、後付けの安易な考え方が元になっています。ところが、ショールームをうまく使いこなしている会社は多くはないものの一定数あり、そういった会社は発想が逆になっています。

 つまり、ショールームを活かして何をするか、ショールームがあるから何ができるかを考えます。実際には事業があって、その後付けでショールームを考えたとしても、ショールームを活かすことで人が育っているか、売上・利益がどう変化していくかを注視しています。まさしくショールーム営業が回っている状態になっているということです。

 このコロナ禍でショールームイベントや展示会は開催しにくい状況にはありますが、いずれコロナは落ち着くでしょう。インフルエンザと同じように考えられる日もそう遠くありません。そうなった時に、また同じようなイベントや展示会をやるつもりですか?中身のないイベントや展示会をやっても意味がないでしょう。

 ショールームやイベントをうまく使えていない今こそが、ショールーム営業のしくみを導入して他社と差別化を図るチャンスです。もう元には戻らないです。見て聞いて触れて・・・という基本的な機能は変わらないでしょうが、ショールームの在り方は多様化するはずです。

 あなたの会社はその準備ができていますか?