第50話 コロナ禍の婚礼ビジネス

 「細井さん、最近うちの娘が結婚式を挙げたんですが、なんですねぇ、ちょっと変わった結婚式・披露宴になりましてねぇ・・・」「参列者とスタッフ全員マスクしてるんですよ。さすがに新郎新婦はしてなかったですが・・・」先日お会いした、ある会社の社長の言葉です。

 新型コロナウイルス感染拡大は多方面に影響を及ぼしています。良い影響をもたらした業界もあれば、悪い影響をもたらした業界もあります。悪い影響をもたらした業種と言えば飲食業や観光業が筆頭にあげられますが、婚礼業界も大きな影響を受けています。

 最近の結婚式場は以前と比べて、こじんまりとした式場が多いように思われます。身内と親しい人だけ呼んで、お金をかけないで式と披露宴を行う、というスタイルが定着していたように思います。人口減少、晩婚化、そもそも結婚しない人が増えた、などにより、婚礼ビジネスは様変わりしました。そこへもってきてこのコロナ禍です。式を挙げる本人たちはもちろん迷惑な話ですが、式場を運営する会社にとっては死活問題となっています。

 冒頭の方は、大きな結婚式場の大人数での式・披露宴を予定していました。しかしこのコロナ禍で、式・披露宴は大幅に人数を減らし縮小せざるを得ませんでした。一生に一度のイベントが、このような形になってしまったことは大変残念だったのですが、身内と本当に親しい友人だけの式・披露宴で、アットホームな感じがとても良かったとのことです。

 ところで、今後の婚礼ビジネスはどうなっていくのでしょうか。まさかオンラインで・・・とはいかないでしょう。バージンロードを父親と花嫁がソーシャルディスタンス2mの距離を取って歩く。新郎新婦の指輪の交換はバーチャルで。漫画みたいですね。こんなことはあり得ません。大切なことは、感染防止対策を徹底し、それを世間に正確に伝えていくことだと思います。感動を共有するにはリアルが最も有効であり、これに勝るものはありません。近い将来、必ず顧客は戻ってきます。ただし、これまで以上にこじんまりとした式・披露宴になる可能性はあります。顧客満足度がより重要になるでしょう。

 ショールームの場合はどうでしょう。大切な買い物をする場合は感動が必要になります。感動はリアルでなければ味わえません。本当に重要なもの、本当に欲しいもの、本当に大切なもの、そういったものは見て、聞いて、触れて、・・・五感で体感するショールームでしか実感できません。結婚式場と同じように、感染防止対策を徹底し、それを世間に伝え、顧客に感動を与える、そんなショールームを造るチャンスが来ています。投資は差別化の1つの方法です。

 ただし、ショールームにお金をかけただけでは効果は全くありません。全くです。ショールームを活用して営業力を強化する必要があります。ショールームがなければ業界の展示会に出展することでもいいでしょう。ショールームや展示会に集客できるか、そしてそこで契約にもっていけるか、集客力・契約力がキーになります。ショールーム営業の強みを活かせば売上・利益2倍3倍化が可能になります。ショールーム営業にチャレンジするチャンスです。