第48話 ショールーム営業の直接の目的と真の目的
突然ですが皆さん、ショールーム営業の目的とは何だと思いますか?そう聞かれれば「当り前じゃないか、顧客に来てもらい、商品を見せて説明して、それで売り上げをあげることだよ」とおっしゃる方がほとんどでしょう。また「自社の技術力を発信して売り上げにつなげることだよ」とおっしゃる方もいるでしょう。そうです、その通りです。顧客を呼び込んで商品を見てもらい、自社の技術力をアピールし、売上・利益を大幅に増大させるためにショールーム営業に取り組んでいるのです。これはこれまで、当社のクライアントになっていただいた経営者の方が異口同音に答えています。まあまさか損するためにやっているとか、慈善でやっている人はいないでしょう。「そんなの当たり前だ」と言いたげな経営者の方もいらっしゃいました。
しかし、実はもう一つあるんですよと話すと、なんだろうと考えこんでしまいます。売上・利益増大のため以外に何があるのか。会社のため、自身のため、社員とその家族のため。もちろんそういったことは、なくはないのですが、ショールーム営業を行う上で最も大切な目的とは「ショールームを活用した営業戦略を実行していく、そのプロセスの中で、社員が鍛えられ成長し自立し、それによって会社のステージがあがる」ということです。そうです人が育ち、会社が成長するということです。
「な~んだ、そういうことか」と軽くおっしゃる方がいらっしゃいますが、多くの方がこの目的を忘れています。ショールームイベントや展示会がうまくいかない、続かない、ただやっただけになってしまう原因がここにあります。前段の目的を「直接の目的」と言い、後段の目的を「真の目的」と言います。
当社はこれまでに、多くのショールームイベント・展示会をご指導してきましたが、この真の目的を意識して行っているケースはほぼありませんでした。ほとんどの場合、直接の目的のみ意識しているか、目的意識も薄れ惰性でやっているだけだったのです。
それでは次回から目的意識を持って、特に真の目的を持ってショールームイベント・展示会に取り組んでくださいと言っても、そう簡単に取り組めるものでもありません。というよりも、絶対にできません。なぜなら、目的意識というものは多くの人(経営者と社員)が長い時間をかけて自分自身の中で醸成させ、個人が集まって組織となった時、その組織の中でも長い時間をかけて醸成させていくものだからです。意識せよと言われて理解したつもりでも、頭で分かったというだけで、すぐにできるものではありません。
春と秋、ショールームイベント・展示会シーズンになると、毎年、毎回やっているからという理由だけで多くのイベントが行われています。経営者も社員も「何かおかしい、間違っていないか」と思いながらも続けています。「何かおかしいと思っているならやめればいいじゃないか」と思いますよね。しかしやめられないのです。なぜならやめる勇気がないからです。やめて売り上げが下がったらどうしようという意識が先に立ち、やめるにやめられないのです。無駄だと薄々感じていながら、慣例だからと言ってやめられないイベントをたくさん見てきました。社員は疲弊し、むなしさだけが残ります。
この状況を打破するためには一度原点に返り、営業戦略の再立案、しくみの導入が必要になります。この営業戦略の立案やしくみの導入には注意点と言いますか、コツと言いますか、そういったものがあります。ただ単に戦略やしくみを作ればいいというものではありません。
ショールームイベントを開催したり、展示会に出展したりするだけのことなら大して難しくもありません。役割分担して自分の役割を実行するだけのことです。製品をどう展示するのか、どう説明するのかなど、多少の技術的な要素はあるにしても難しいことではありません。慣れてしまえばルーチンワークのようなものです。
しかし、ショールームイベントや展示会を活用して社員や会社の営業力を向上させる、成長させるというのは、長期的なしくみの導入と、それを回すオペレーション能力が必要です。これらは一長一短に身に着くものではなく、また自社だけで習得できるものでもありません。経験豊富な専門家が必要です。
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