第162話 コンサルティングにおける課題のとらえ方
当社のコンサルティングは8回のステップで構成されています。そのステップを1つずつ踏んでいくことにより、ショールーム営業のノウハウが自社に導入されます。成功への階段を上っていくイメージです。
階段を上るためにステップごとに課題が出ます。多い回は4つ、少なくても1つ出ます。面白いことに、と言ってはお客様に大変失礼ですが、例外なく皆さんこの課題に苦労されています。表現はあまり良くないですが、やぐるってのたうち回るような感じで取り組んでいただいています。
「先生、課題できました!」と元気にメールを送っていただくのですが、「よく頑張りましたね、ご苦労様」と労をねぎらいながらも、「○○が全然ダメですよ。こんな風に考えるといいです」「がんばってください!」と返信します。
要するに、課題に取り組んでいただいていることには敬意を示しますが、その出来上がったもののレベルが、当社が期待するものから比べると低いということです。
そしてしばらくするとまた、「先生、課題出来ました! 今度はどうでしょう?」などとメールを送ってくるのですが、残念ながら返事は前とほぼ同じということになります。そして、それが繰り返されるのです。
しかし、いつまでも同じことの繰り返しではいけませんので、時機を見て当社の方から提案という形で答えを出す場合もあります。コンサルティングが前に進まないからです。
課題ができていなくてもコンサルティングを進めることもできますが、伴走型のコンサルティングを信条としている当社としては、そういうわけにはいきません。したがって、なぜこの答えになるのかを十分理解していただいたうえで、次のステップへ進むことになります。
ある時、当社のコンサルティングを受けているお客様から、課題ができたとのメールをいただきました。その課題のレベルが非常に高かったため、当然に合格を出しました。そして、次回コンサルティングに伺うときに、その成果を見せていただくことにしました。課題は机上だけでなく、実践して初めて課題が「できた」ということになるからです。
翌週、この会社にコンサルティングに伺いました。新しいステップに入る前に、前回の課題の成果を見せていただく約束でしたが、モジモジして見せていただけません。
「社長、どうされましたか?」と問いかけると、「実は、まだ実践できていないんですよ」というお答え。
当社では、コンサルティングに入る前と個別相談の時に十分にこの説明をします。課題は机上と実践の両方ができて初めて「できた」ということを。
そのときは「わかった、わかった」などとお答えになる方でも、結局、このように机上しかできていないケースが多いのです。当社が「コンサルティングは内容が濃いですよ」と話すのはこのためです。
なぜこのようなことが起きるのか? それは、机上での課題に時間をとられすぎて、終わった時には次のステップが目の前という事態になっているからです。それで実践ができないのです。
このようなお客様のために、当社では特別コースをご用意しています。特別コースはコンサルティングの時間を延長し、机上での課題をコンサルティングの中で一定のレベルまで引き上げるというものです。したがって、実践の時間は十分に確保され、次のステップへ移ることができ、しかも確実にしくみが導入されるというメリットがあります。
もう一つ、「机上も実践もある程度はできたけど自信がない」というお客様もいます。ステップ8回が終了すると契約も終了ですが、そのようなお客様のために契約を延長してご指導することもあります。フォロー契約です。
一般コース、特別コース、フォロー契約。どれを選ぶかはお客様次第です。自社でぐいぐいできるなら一般コース。実践まで行きそうでないのであれば特別コース。できていても自信がなければフォロー契約。どちらにしても、本気になって取り組んでいただく必要があります。