第43話 後悔しない人生
ある新聞の発言欄に、こんな内容の投稿が載っていました。高齢男性からの投稿です。
今から60年以上前、経済的な理由から中学卒業後就職することになりながらも、「様々なものを小売りする24時間営業の店をつくりたい」と考えていたこの方、いろいろ思いを巡らせましたが、「開業資金を集める手立てが思いつかず、夢想で終わった」そうです。今でいう、コンビニの原型のようなものを60年以上前に考えていたようです。そして、短い文章の締めくくりにこう結んでいます。「もし実現していたら、今ごろ大企業のオーナーになっていたかもしれない。ひらめきをもっと大切にすればよかった」
営業方法や営業戦略、経営戦略は数多くありますが、「ショールームを活用した営業戦略、経営戦略の立案」=「ショールーム営業」は他と比べて分かりやすい、イメージしやすいことが特徴の1つです。もちろん、中身をきちんと説明しなければ正確には理解してもらえませんが、少なくとも聞いただけでは何だかさっぱり分からない、ということはありません。
この「ショールーム営業」は、30年以上に及ぶ営業現場と経営管理実務のノウハウを体系化したもので、営業と経営管理の実務・理論のノウハウを詰め込んでいます。決して、ショールームを使ったイベントのやり方だけを教えるものではありません。イベントのやり方を教えるだけなら大したノウハウは必要とせず、奥の浅いコンサルティングになってしまいます。
当社のコンサルティングは、イベントのやり方を教えることも含まれていますが、それは全体のごく一部であり、大部分がそのベースとなる、基本的な営業実務や、組織の在り方、意識改革といった、目に見えづらい部分をあぶり出し営業・経営戦略を立案していくものです。その根底にあるものが、実務経験と理論が融合したノウハウなのです。こうお聞きになれば、一般的な営業戦略や、理論だけのマーケティングとの違いが分かるでしょう。一般的な営業戦略や理論だけのマーケティングは、何をどのように売るかということに焦点が当てられ、実務を伴わない机上の空論のようなものです。
ある経営者の方がこう言っていました。「ショールーム営業ねぇ、いいとは思うんだが、うちはまあいいわ」当社とすると無理にお勧めする気は全くありませんので、「またご縁がありましたら・・・」で済んでしまったのですが、お話を伺ってみたところ、「ショールームは活用できていないし、業績はイマイチだから、突破口が開けるのではないか」と考える一方、「そんなにコストをかけられない。失敗したらもったいない」とも思っていたようです。ところがこの方、本当に必要?と思われるような不動産を、借金までして購入していました。「ン~!?何か勘違いしていないか」と率直に感じたのですが、それがこの方の経営だから「違ってませんか?」などというつもりもありません。
冒頭の高齢男性のように、あの時お金を集める手立てを思いついていれば今頃は・・・、などと後悔しても後の祭り。男性は、資金を集める手立てを思いつかなかった自分自身を責める以外にない、というのが後悔につながっているのだと思います。
失敗するのが怖いし、大切なお金を失いたくないという理由でやらなかったら、絶対後悔します。開業資金を集めるとか、コンサル料を工面するとか、そんなのは命を懸けるわけでもないのですから、失敗したとしても大したことではありません。またやり直せばいいだけのことです。
「死ぬこと以外かすり傷」という言葉があります。いろいろ捉え方はあるにしても、勇気が出る言葉です。多少痛くても、かすり傷ならすぐ治るでしょう。かすり傷なんか怖がらないで、人生に後悔しないようチャレンジしていきたいものです。