第165話 ショールームとディズニーランドの関係

 ことさらに言うこともありませんが、ディズニーランドは世界的なレジャーランドです。夢の世界、おとぎの世界を演出していて大人から子供まで楽しめます。世界中にリピーターやファンがいて、いつ訪れても超満員、大人気です。

 なぜこんなにもディズニーランドが人気なのでしょう。やはり楽しいからです。ホスピタリティーというか、おもてなしがあるからです。そしてゲスト、キャスト、アトラクションが三位一体となって憧れの世界を作っています。

 ショールームをディズニーランドにしてはいけませんが、ディズニーランドに学ぶ点は大いにあります。我々が本物の見込み客をショールームに集客し、契約するまでのプロセスはディズニーランドが持っているノウハウとよく似ています。

「先生、お客様があんなに喜んでくれたのをはじめてみました」
「三種の仕掛けは威力ありますね」

 ショールームを活用できずに悩んでいた、ある建設業の経営者の方がこんな風に話してくれました。本業は組下の工務店ですが、一般消費者相手のリフォーム工事も請け負っていて、今後こちらを伸ばそうと考えてショールームを作りました。

 しかし、組下の工務店が一般消費者相手の営業をしたことはなく、何をどうすればよいか分かりません。たまにお客様が来館しても、製品の説明をするくらいで驚きも感動もありません。アドバイザーはいますが、受付も事務も何もかも一人でこなしている状態で、「展示品の説明くらいはできますよ」といったレベルです。

「ショールームも立派なものを作ったし、展示品も一流メーカーの製品を展示しているし、これでなんで売れないんでしょうね、先生」

 この会社の経営者の方と出会った頃は、こんな愚痴をこぼしていました。ところが今ではショールームを活用できるようになって、お客様以上に喜んでいます。

 それでは、これまでとどこがどう違うのかということです。

 この会社は立派なショールームをお持ちでしたが、残念ながら来館者が本物ではなかったことと、ショールームアドバイザーの接客スキルが低レベルだったことが挙げられます。

「社長、ディズニーランドはなんであんなにも人気なんでしょうかね?」

 ここから改善が始まりました。ディズニーランドの「ゲスト」は、この会社の「本物の見込み客」、「キャスト」は「ショールームアドバイザー」、「アトラクション」は「ショールーム」と考えるようにしました。

 この経営者の方、ディズニーランドの大ファンだったこともあって、良~く考えたそうです。当社もいろいろヒントを出したのですが、そこから思いついたのは、うちには「アトラクション」はあるけど「ゲスト」と「キャスト」がいない、ということに気が付きました。

 ここに気が付けばしめたものです。ゲストである本物の見込み客をどのように探すのか、キャストであるショールームアドバイザーをどのように教育するのか、これさえわかれば後は実践するのみです。実は、ここに気が付かない方が多いのです。

 この経営者の方は、当社のコンサルティングを受けて「本物の見込み客」を探し出すことに成功しました。本物の見込み客は「絞り込み営業」と「個別チラシ」を使って多くの顧客の中から探し出しました。

 それに加えて、三種の神器ならぬ「三種の仕掛け」を手に入れました。三種の仕掛けとは「おもてなし」「ズレの修正」「驚きと感動」を言います。

 この三種の仕掛けを使って本物の見込み客を喜ばせたのです。しかし、それ以上に喜んだのはこの経営者の方でした。長年の悩みが一気に解決したのですから。

 もちろん「一気に」と言っても、コンサルティングを受けてすぐにというわけではありません。自社にゲストとキャストがいないということに気が付くのに時間がかかりました。また、それを実践して結果が出るまでに何か月もかかりました。何しろ、一般消費者相手の営業なんてやったことがなかったのですから!

 しかし、見込み客開拓から契約までの自社独自の導線を作り、三種の仕掛けをしかけたことで道筋が見えたのです。こうすればうまく行くという確信が得られたのです。確信を持つと人は強くなります。自信がみなぎってきます。

 この会社の場合、経営者の方がディズニーランドのファンだったため、先ほどのようなたとえを持ち出してヒントをお伝えしました。

 お客様の業種・業態は様々です。経営者の方の考え方ややり方も様々です。さまざまなお客様がいらっしゃる中でも、当社はその会社に最適なご指導を心がけています。

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