第113話 茶坊主コンサルタントが暗躍する会社は成長しない

 皆さん、茶坊主をご存じですか?坊主と言っても本物のお坊さんではなく、れっきとした武家の出身で、頭をそっていたため坊主と呼ばれていました。仕事は「茶」と付くように、大名の茶事をつかさどった人です。

 テレビドラマや時代劇などで、頭を丸めたお坊さんのような人が、金魚の糞のように殿様の後をついて歩くシーンを見たことがあるでしょう。そうです、あの人たちです。セリフはほとんどありませんが、歴史的に重要な登場人物です。

 その時代の権力者に媚びへつらい威張っている人が多かったため、現在では一般的に、権力者にへつらう人のことを茶坊主と言ってののしる言葉です。

「細井先生、うちの先代は茶坊主コンサルタントと長い間契約していましたが、最近、ようやく解除できました。これで会社の風通しがよくなります」

 当社にショールーム営業のご相談にお越しになったこの経営者の方は、こう話してくれました。どうやら、父親である先代の社長は、経営者として孤独で信頼できる相談相手もいなかったため、どこかで知り合った自称コンサルタントとコンサルティング契約したようです。

 コンサルティングといってもこのコンサルタントの仕事は、いつも先代の後をついて回って話し相手になるくらいで、取り立てて何もしていません。月に一度の会議に、精神論的なことや先代の経営のすばらしさを社員の前で延々と話すくらいで、何か具体的に仕組みを導入するようなことはありませんでした。

 それでも先代は、そのコンサルタントを頼っていたのでしょう。高いお金を払って、ずいぶん長い間契約していたようです。お金だけ払って会社に何も残っていないのですから、今の社長や社員にとっては迷惑だったでしょうが、先代にとっては心の安寧を得ていたわけで、それはそれで価値があったと言えます。

 しかし、今の社長や社員から見ると、まるで茶坊主の如くふるまうため「なんとかならないか」という声が多く聞かれていました。いるだけならまだ我慢もできますが、先代には媚びへつらい、ほかの社員には横柄な態度なため、先代以外からは嫌われていたのです。しかも、今の社長が会社の改革をやろうとしても、先代と結託して反対するものですから、会社が前に進みません。

 このようなわけで、今の社長は苦労をしてきましたが、最近になって先代が経営を譲ったため、この茶坊主コンサルタントをお役御免にしたというわけです。そして、会社を成長させてくれるコンサルタントを探していたところ当社を知り、相談にお越しになったというわけです。

 「先生、長い間苦労しましたが、ようやく本物のコンサルタントと出会ったような気がします」「社に帰って検討させていただきます」そう言って帰って行かれました。

 会社の成長に合わせてコンサルタント選びをしないと、成長が止まってしまいます。いつまでもぐずぐずと張り付いているコンサルタントでは、お金ばかりかかってあとに何も残らなくなってしまいます。

 世の中には、未だ茶坊主コンサルタントが暗躍しているようですので、十分吟味したうえで契約することをお勧めします。