第37話 ショールーム営業で儲ける方法

「ショールームを造ろうと思うんだけど、ダメかねぇ?細井さん」

「エーッ!まだそんなこと言ってるんですか。必要ないって何度も申し上げたじゃないですか、社長」

「でもねぇー、わかっちゃいるんですけどねぇ」

これは、当社のコンサルティングを受け、目下ショールーム営業に精を出している会社の社長との会話の一部です。セミナーを受講されたときも、コンサルティングの最中にも、さんざん同じ話を繰り返してきたにもかかわらず、冒頭の言葉です。

 冷静に考えてみれば、当社所有の会社でもなく、他人様の会社なんだから、自分がいいと思ったらやればいいだけのことです。ショールームを自前で造りたいというのなら、本来なら「そりゃあいいですね、頑張りましょう」そして「応援します」と励ますのが筋でしょうが、そうはいきません。なぜなら、経営の重荷になることが目に見えているからです。それなのに「いいですね・・・」とは、コンサルタントとしていえるわけがありません。

 この会社、非製造業で自社製品がないため、自前でショールームを持っていません。仕入れた製品を販売するいわゆる卸売業で、自前でショールームを持つ必要がないのです。ショールームイベントを開催する場合は、仕入れ先のメーカーのショールームを借りて行っていて、それによって売上・利益もずいぶん伸びてきました。調子に乗った社長、こんなに儲かるなら自前でショールームを造って、自社が売りたいメーカーの、売りたい製品を展示して、もっと売上・利益を伸ばそうと考えたわけです。そこで当社に相談となったわけですが、「ダメ!」とストップをかけたため恨めしそうな話し方になってしまいました。

 骨董品や美術品から、マッチ箱や牛乳瓶のフタまで、世の中のありとあらゆるモノが収集の対象となります。これは集めるという楽しみや、所有するという欲があるからです。ショールームも同じで、こんなに儲かるものなら自分で持ちたい、と考えるのは自然でしょう。しかしショールームは、骨董品や美術品と違い、収集の対象ではなく、資産(投資)なわけです(もちろん、骨董品や美術品を投資の対象として収集している人もいるでしょうが)。バランスシートの左下に記載されている固定資産です。資産ですから運用して初めて価値が出るのですが、この会社はまだ、自前で持つだけの体制が十分に整っているとはいいがたいし、そもそも卸売業には必要ありません。

 このような状況で自社ショールームを造っても、2~3年のうちに「物置」に変わってしまうのがオチです。だから心を鬼にして「ダメ!」と言っているのです。大金をつぎ込んでショールームを造ったはいいが、「物置」になってしまったらバランスシートが傷んでしまいます。そもそも、他社製品を展示するという発想がよく理解できません。

 しかし、このような会社はすごくたくさんあります。また、そういったショールームを数限りなく見てきました。そしてこれからも、使われなくなって「物置」と化したショールームを目の当たりにすることでしょう。当社は、こういったショールームを復活させ、儲かるスペースへと変換することが、また、そうならないようにすることが使命の一つと考えています。

 前出の社長が何も特別ではありません。99%の経営者の方が、必要のないショールームを造ったり、使い方を間違えたりして損をしています。造りゃ何とかなるだろうとか、造ってから考えるとかはもってのほか。ショールームのために増員して、イベントのために社員に残業させて、などと意味のないことやってませんか?

 企業は、最終的には儲けなければなりません。売り上げをあげるために人員を増やして・・・では経営になっていません。「自分はそんなことない。売り上げと利益の関係くらいわかっている」とおっしゃる経営者の方もいるでしょう。しかし、感覚で分かっているのと、理論と経験で理解しているのとでは雲泥の差があります。商売に冒険は必要ですが、遭難するとわかっている冒険はやめたほうがいいです。

 この会社の場合、メーカーのショールームを使って儲けているのだから、もっと使えばいいです。メーカー側は、それによって自社製品が売れるのだから、お互いにメリットがあります。ショールーム営業で儲けるには、他人のショールームを使うのが最も効果的です。

 あなたの会社はショールームを活用できていますか?

 そしてそれは人海戦術になっていませんか?

 当社は、増員なしで売上・利益を2倍3倍にしたい経営者の方を全力で応援します。