第30話 チャンス到来 2020/4/21
「いや~久しぶりにチャンスがやってきました」といってニコニコ顔で話しかけてきたのは、以前当社のコンサルティングを受けられ、目下ショールーム営業に取り組んでいる会社の社長です。世間では不景気に突入したと言われているのに何がチャンスかと聞いてみると、「こういう時こそ差別化できるチャンスなんですよ」「他社が景気が悪いとぼやいている時にこそ何か新しいことをやりたいんです」とのこと。
確かにここ何年かの好景気に支えられ、どの業界もその恩恵を受けてきたことは間違いないでしょうし、その波に乗れば業績はまあまあ良かったと言えるでしょう。ところが不景気になると、今までの構造の枠組みが外れ、新たな枠組みが出現します。そしてその枠組みにはまっていけるかどうかが発展していけるか否かの分かれ道になります。
歴史的に見ても、明治維新の時には封建制度の崩壊や新興商人の台頭、太平洋戦争終結の時には軍国主義の崩壊や財閥の解体といったことが起きました。これにより新しいビジネスが雨後の筍のように現れ、その中から大きく成功した企業がたくさんあります。
これまで大企業の下請けだけで受注を確保してきた製造業の会社も多くあるでしょう。また、OEM受託生産のみで大きく発展した会社もあるでしょう。しかしこのまま不景気に陥った場合、好景気に支えられ人や生産設備を増やしてきた会社はどうするのでしょう。ダウンサイジングですか?
冒頭の会社の社長は企業規模縮小といった後ろ向きの考え方ではなく、以前当社から受けたコンサルティングのショールーム営業で、今ある経営資源を活かすべく情報収集や情報発信を行い、新しい製品や販売ルートを作ろうというのです。やむを得ずそういう状況に追い込まれたとも言えますが、景気が悪くなってきても下請けやOEM受託生産に依存しきって打つ手がない企業と、いずれ景気が悪くなるだろうと準備してきた企業ではスタートラインで雲泥の差が付きます。ショールーム営業のしくみを導入し、少しづつでも準備してきたこの会社は次のスタートラインにすでに立っています。後はいつ走り出すのかのタイミングだけです。
しかし今からでも決して遅くありません。不景気になる前に、そして本当の不景気になった時会社が持ちこたえられるよう、準備しておきましょう。当社はそんな皆さんのためにお役に立ちたいと考えています。